不在の巣

なろうで小説を書かせてもらっている馬込巣立のブログです

アニメ感想文『回復術士のやり直し 第7話』

 皆さんこんにちは。馬込巣立です。

 

 日照時間は長くなり気温も徐々に落ち着いてきて、いよいよ春になってきたという感じがしますね。私が忌み嫌う夏とかいうクソ季節も近い。

 そんなわけでチェンソーマン11巻と新しく出たポプテピピックを読んでご機嫌な状態ですが、朝起きてから「そういや回復術士の感想記事まだ書いてねえや」ということに思い至り嫌な溜息を吐き出している土曜日の朝。それが今です。

 

 まあ書き終わる頃には昼飯時になっていそうですが、ともあれ今回もアニメの感想を書いていきましょう。

 

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動画はこちら

www.nicovideo.jp

 

 

 

◆概要

 

 村人達の処刑場となるコロシアムに来たケヤルは久しぶりに元の姿で王国軍の前に姿を現し、彼らを人質にとられるも容赦なく兵士を殺害していきます。

 そしてケヤルが暴れることで見せしめとしての意味も込め、次々に殺されていく村人達。更には事前に毒まで盛られていたらしく最初から助けられる可能性は低かったのが判明。

 

 ひとしきり暴れてから王女フレアの姿に戻ったフレイアを利用し、コロシアムの観客席にいる民衆の暴動を誘発。これによって混乱を招いたケヤルは唯一生き残った少年を救助し、次の街・ブラニッカを目指します。

 そこはフレアの妹であるノルン王女の遠征先であり、同時に世界をやり直すために用いた賢者の石を持つ魔王がいる場所でもありました。

 

 次の街で彼らを待ち受けているのは何なのか、というところで7話は終了。

 では感想を書いていきましょう。

 

 

 

◆良かった部分

 

ノルンの遠征

 

 ケヤルガ曰く「ノルンがブラニッカに遠征するという出来事は以前の人生において発生しなかった」らしいんです。つまりやり直した人生でケヤル及びケヤルガ本人が直接関わった部分とは別に、やり直された結果新しいイベントが主人公の知覚範囲外で生じたわけですね。

 これの何が良かったかというと、ようやくケヤルガの「俺はこれ知ってるから余裕で対策できます」展開が終わるってことです。物語的に飽きがなくなる可能性が生じてきました。

 

 加えて不確定要素の中心にいるのがやり直された世界で唯一ケヤルガを殺せるであろうノルンというのも上手いなあと。

 つまるところ地味にピンチなんですよ今。これまでずっと主人公が雑魚を倒してばかりだったので、少しは歯ごたえある展開が見られるかもしれません。

 

 まあ「コミカライズ版ではこうだった」みたいな話についてはまだアニメ版で結果が出ていないので触れないこととしましょう。こっちは先の展開違うかもしれないし。

 

 

 

ジョンのキャラクター性

 

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 前回ではノルン姫に踏まれながら喘いでただけで大してネタにもならず記事でも特に触れなかったコイツですが、今回で一気にキャラ立ててきました。

 

 何をしたかというとシンプルで、踏まれながら真面目な顔と真面目な声で真面目な話し始めるんですよ。

 この描写で彼がただ使い捨てられるだけの奴隷ではないということが判明しただけでなく、冷静な判断もできる成人男性を狂わせながら判断力を持続させつつ服従させるという形でノルンの異常性をも滑らかに表現できているんです。ケヤルガが口で「アイツは異常だ」と説明するよりもよほど優れている表現と言えるでしょう。

 

 少なくともコミカライズ版ではブヒブヒ鳴いてるだけの肥満体黒人男性だったのが、アニメ版に際して急にキャラデザと性格を変えてきて変に印象に残る存在となってしまいました。

 こうも改変されていると今後どのようにケヤルガ達と関わっていくのか、少し楽しみになってきましたね。

 

 

 

◆悪かった部分

 

主人公に倫理観と論理性が足りない

 

「いつもそうだろ」って言われるかもしれませんが、ちょっと今回その要素が際立ってしまっていたので言及しますね。

 

 まず故郷と言えるだけの年月を過ごしてきた村ならアンナさん以外の村人とも交流があって然るべきはずなのですが、どういうわけか彼は人質にとられた村人が殺されるのも厭わず兵士を虐殺していきます。

 これに関しては展開一つを切り取って見れば「アンナさん以外の村人からは迫害されてた」みたいな理由付け次第で正当化できる状況なのですが、特にそういうのもなし。ただ「殺したのはお前らなんだからお前らが悪い」としか言わない。

 

 なんつーか、ガキの口喧嘩と同レベルで言ってる内容が幼稚なんですよね。

 多分これと似たようなロジックで言い合ってる子供そこら中にいますよ。

 

 しかもかつてレナードに王女殺害の罪をなすりつけておきながら「他人に罪をなすりつけるなんて最低のクズだ」とか言い始めるケヤルのダブルスタンダードっぷりが余計に小物臭いんですわ。

 仮にこれを「主人公は自分自身をクズだと自認している」って描写にするなら王国軍側に「レナードに罪をなすりつけといて何言ってんだコイツ」みたいなリアクションさせとくべきなんですが、そういうのも特にないのが問題です。これだとケヤルは素で「相手がやるなら悪、自分がやるなら復讐のためだから正義」っていう歪んだ認識を持っていることになるんですよ。いや今更ですけれども。

 

 で、ここまで言及した部分だけだと「でも確かに自分の判断で直接村人を殺してるのは王国軍の連中なんだよな」ってなるかと思うんですが、よく思い出してみてください。

 前回の感想記事にも書きましたが、コイツが女遊びに興じてないでちゃんと対策しておけばこの村の人達は助かったかもしれないんですよ。というかそもそも王城を出る際にしっかりレナードを殺しておけばこうはなっていないんです。

 

 つまりアンナさん含めて村人が殺された遠因はケヤルです。

 

 なので責任転嫁する前にまず自分を責めろっつー話なんですけどガンギマリホモ太郎にはちょっと人間の倫理とかそういうの難しくてわかんねえか。なら仕方ないですね。

 

 で、以上の点は倫理観を中心とした問題点です。次は論理性の欠如について触れていきたいと思います。

 

 ケヤルは改悪のヒールを用いて兵士達を殺しながら以下のように主張するんですね。

 

「村人達が殺されても俺が兵士を殺して無念を晴らすから問題ない」

「俺がしっかり復讐してやるから大丈夫だ」

 

 普通に倫理観の問題な気がしなくもありませんが、言っている内容そのものだけが悪いという単純な話でもありません。

 

 私がよろしくないと感じたのは口にした内容ではなく、口にしなかった内容があることです。

 もっと具体的に言うと「これ以上殺されたくなければ村人達を離せ」の一言がついぞケヤルの口から出てこなかったという点です。

 

 重ねて言いますが倫理的な問題だけではありません。論理的にもおかしい点があります。

 まず村人の救助こそが危険を承知でコロシアムに来た理由そのものであるはずなんですよ。我が身がかわいいのであれば見捨ててラナリッタを出るのが最適解なはずですし、王国そのものへの復讐が目的だとするならわざわざコロシアムに集まるのを待たずに夜襲でもすればいい。

 

 となれば村人を助ける上での最適解を選ぶべきなのですが、なんかそこどうでもよさそうなんですよねこの主人公。いよいよ目的がわからない。

 

 まあでも前回の記事で触れた通り育ての親が犯されて衰弱死したその日の夜にセフレと奴隷相手に乱暴なプレイして遊んでるような奴ですし、故郷で自分の門出を祝ってくれてた人達が虐殺されるくらいなんとも思わないんでしょう。ある意味キャラとして一貫性があると言えなくもありません。

 

 

 

雑にバグらされる結界

 

 村人達が晒し者にされたコロシアムには結界装置が仕掛けられており、それを作動すると中にいる者が閉じ込められて体力と魔力を吸収されて死ぬという設定があります。

 これはとある特殊な宝石を身につけていれば体力も魔力も吸われずに済むらしいのですが、それを王国軍が作動させたところ逆に宝石を持ってる王国軍の兵士達だけが死んでいく、というシーンがあるんですよ。

 

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 で、そうなってしまった理由なんですけど。

 

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 フレイアがセツナと一緒に設備を乗っ取っていたからで待て待て待て。

 

 隣りに倒れてる兵士がいるから強引に警備を突破したって描写なんでしょうけどここ守らなきゃまずいってわかってるなら40人前後の村人の処刑にあんな人数いらないでしょ。ただでさえ見せしめに一人ずつちんたら殺してるだけなのに。

 仮に「ケヤルと戦うための充分な戦力を整えるため」って言い訳するにしても前提として結界がちゃんと機能する=勝ちみたいな状況なんだから処刑場にはあのおっさんと結界作動させるための係だけいれば事足りるんです。

 

 これ、軍の連中がバカだから助かっただけのエピソードですよね?

 シンプルに敵も味方もかっこ悪いわ。

 

 

 

根本的な設定が破綻している

 

 縛られてる村人を翡翠眼で見れば毒に侵されているかどうかくらいわかりますから、後になって村人が血を吐いたのを見て「毒か……!」とかリアクションしてるのは設定上矛盾しています。

 

 そして先に翡翠眼で村人の状態を理解したならケヤルがすべきは王国軍の挑発ではなく結界の作動を誘うことだったはずなんですね。それやっとけば苦しんでる兵士達の中でも村人に近い位置にいるやつから片付けて、一人ずつ村人を解毒していくことができたはずなんですよ。

 もちろん途中で気づいて宝石を外し村人に襲いかかる兵士もいるでしょうけど、それだって王国軍の雑兵なんざ今まで散々薙ぎ倒してきた相手なんですから倒しながら同時並行処理で助けていくことも不可能ではないはずなんです。というかそこで頑張って助けずに見捨てるとかいう自分が楽できる選択しかしないからダサいんですよこの主人公は。

 

 で、これの何が最悪かって翡翠眼の設定を作者にとって便利なように出したり引っ込めたりしてる点です。

 少なくともコミカライズ版でも村人死んでましたし、これ書籍版にない描写とかではないですよね。読んでないから知らんけどまあ作者さんが「またWEBに公開します」つってるんでそうしたら改めて確認しますわ。

 

 

 

フレアの演説

 

 フレアの顔に戻ったフレイアが民衆を対象として「ジオラル王国はヤバい国なので自分達はこの国を良くするために戦っています(要約)」という演説をかますんですが、ちょっとその内容がお粗末過ぎる。

 

 というのも王国を悪とする理由として「亜人の村を襲って攫って奴隷商に売ってるから」って説明が入るわけですけれども、まずもってジオラル王国って亜人=奴隷って認識を国民が共有してるんじゃないんですか?「街で亜人の奴隷をよく見かけるだろ」ってケヤルガに言われてクレハが肯定してたでしょ。

 

 仮にこれが説得力を伴うとして、多くの民衆に“奴隷ではない亜人との交流”がなければ成立しないんです。でも王国軍は逐一村単位で亜人を襲って攫ってるんですよね。

 じゃあ一般市民に交流の機会なんて残されているはずもないし、奴隷として扱われてる亜人しか見かけないならフレアの演説って「実は生きていた王女様によるわかりやすい奴隷市場の仕組み解説」以上の意味を持たないんです。

 

 ではその解説を聞いた人々のリアクションを見てみましょう。こちらになります。

 

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 お前らがこれまで過ごしてきた日常は何だったんだよ。

 

 自分達にとって日常となっていた亜人奴隷の調達手段を知り、それをぶっ壊そうという王女の宣言を受けての反応がこれですよ。バチャ豚でさえここまでこじらせてたら末期だわ。

 しかもこれで簡単に暴動にまで発展して兵士達を殺しにかかるんですけど、そんな邪悪な王国に属する兵士をぶっ殺したらお前らも殺された村人連中の後追い決定だろ。よく考えて行動してくれ。

 

 それとこれ、今までの感想記事で何度も言ってきましたけど今回も言いますね。

 

 

 

 大前提としてお前ら犯罪都市の住人なんだから王国軍が亜人襲ってようと知ったこっちゃねえだろ。

 

 

 

 いつもいつもいつもいつも忘れやがるもんだからこっちがイライラしてきますよ。いつになったら「ラナリッタは犯罪が横行する都市である」という設定が定着するんでしょうか。

 まあ多分そこ定着させようと思ったら作者変更するくらいしかなさそうですけど。

 

 

 

王国側の計画がボロボロ

 

 何だかんだ暴動を誘発して混乱を招いたケヤルガ一行は、先に盛られていた毒によって死んでいく村人の中から唯一生き残った少年を救助してコロシアムから脱出します。

 そうして避難した先で出てきたのがいつぞやの商人。

 

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 なんか「貴方様に助けていただいた」とか言ってケヤルガに服従してるんですけどそのエピソードが本編で一切描写されていない件については触れないこととします。ボーボボでは日常茶飯事だろと考えればギリギリスルーできる範疇です。

 

 で、彼に少年の世話を任せる際に「どうして村人に毒を盛る必要があったのか」という疑問が出てくるわけですが、その問いに対するケヤルガの解答が「村人を助けることに成功したと思わせておいて後で自分を絶望させるためだ」って言うんですね。

 

 さて、では“ケヤルが村人の救助に成功するだろう”と見越していたノルンがどうしていたかというとめっちゃ癇癪起こしてるんですよ。

 いやそうなった場合も想定してたんと違うんかい。せっかくジョンが頑張ってくれてるのに肝心要の本人がこれじゃあ、作中の登場人物に恐れられてる割に小物臭さが抜けきらないんですって。

 そこは「どう突破されるか楽しみにしてたけど、予想を裏切って期待を裏切らないのは流石優秀なおもちゃ候補だわ」くらい言わせとけばまだヤバさが持続したはずなんですが。

 

 もう少しこう、せっかく恐ろしい敵として扱われてるキャラなんですから有能さとか大物感を出しておいてもらいたいんですがね。チェンソーマンのマキマさんや俺ガイルの陽乃さんがこんなクソ雑魚ナメクジムーブしないでしょ。そういうことです。

 

 

 

生き残った少年の扱い

 

 生き残った少年についてどうするかって話をする時に、ケヤルガが「世話を見てもらいたいけど自分をどう思ってたとしても放っておいてほしい」と言うんです。

 

 珍しく何か考えがあるのかなと思って聞いてたら「そいつは俺のせいで村が襲われたと思っている」とか言い始めてまずそこで「いやお前のせいだよ」ってツッコミを入れました。少なくともお前はそう認識してなきゃアウトだろ。

 そして次のようにのたまうわけです。

 

「全てを失い悲しみの底から立ち上がるには何かが必要だ」

「恨みや憎しみも悪くない」

 

 

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 先にも述べましたけどコイツ(ケヤルガ)が全てを失った要因の一つなんです。そしてその口から復讐を肯定的に語られてもこっちからすると「どうでもいいから謝罪して罪を償え」って言いたくなるんですよ。

 というかそんなクソみたいな生き方をさせまいとするのが物語の主人公ってやつなんじゃないんですか。なんか商人に人間性を高評価されてますけど群衆煽動しながら自分はこっそり逃げてる姑息な犯罪者を庇うような犯罪都市在住のおっさんに褒められる程度の人間性なんて知れてらぁな!

 

 あと復讐者の先輩みたいなツラしてますけど彼がやってきたのって最初に復讐対象の中から美少女を選んで犯してそれ以降は横道逸れまくって女抱いてただけですからね。下半身ビンビンの状態でテメェの復讐も満足にできてないような奴が自分を憎悪しているであろう少年に何偉そうに言ってんだって話ですよ。

『自分に向けられる復讐』なるものに対する真摯さが足りない。ゼロの使い魔のコルベール先生を見習え。屑が。

 

 

 

フレイアの性格について言及するシーン

 

 今回の最後の方にまた無駄な濡れ場があるんですけど、ちょっと突出して無駄というか何なら蛇足以外の何物でもないシーンだったので触れておきます。

 ヤることヤッたケヤルガがフレイアの性格を「“自分だけが大事”という性格が“自分と俺の二人だけが大事”に変わっただけで根本は同じ」と評するんですけど、これ相当問題ある発言なんですよ。

 

 どうしてかというと4話でケヤルガはフレイアの性格について「フレアだった頃の嫌な性格を感じない」と言っているんですね。それだけならまだしも「じゃあ悪いのは王国という環境そのものであり、自分が本当に復讐すべきはジオラル王国なんだな」という結論に至るんです。

 つまりフレアを通して王国に全てを奪われたからやり返す、という口実がケヤルガの中にはあるはずなんですよ。

 

 しかしここでフレイアになってからもフレアだった頃と性格が変わっていないって話になると、ケヤルガが王国に復讐する理由が消え失せるんです。ケヤルガと一緒にいても王国で育っても同じ性格に育つんですから。

 ってことは復讐対象はフレア・ブレッド・ブレイドの三人だけに戻りますよね。ノルン姫放置でええやん。

 何ならフレアが根っからのろくでなしってわかったんだから姉の方を交渉材料にして妹懐柔して王国乗っ取りに行けばよろしい。ホントは復讐なんかよりも女を抱く方が大切なんでしょうし、ノルン姫味方につければいくらでも女奴隷提供してもらえますよ。

 

 恐らく前回に次いで最悪な描写でしたよ今回のセックスシーン。

 

 

 

◆総評

 

 こんだけ色々言ってきましたけど、アニメの演出でもなく声優さんの演技でもなく物語として褒められる点が二つあったのは今回が初めてなんじゃないでしょうか。

 アルジャーノンに花束をの中盤の展開を見ているような気分ですね。あ、これ褒めてません。侮辱です。

 

 とりあえず今回の感想はこんなものに落ち着いたわけですが、ちょっとこの7話について気になった部分があるんですよ。

 

 まずこちらを見てください。回復術士のやり直し、1話EDの映像をスクショしたものです。

 

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 ケヤルの故郷にいた村人の声、実はこちら原作者の月夜涙さんが当ててました。

 

 で、それを踏まえて今回の話を見てみるとその故郷の村で唯一生き残った少年の声はプロの女性声優さんなんですよね。原作者ではない。

 

 あれ? アニメスタッフ?

 もしかして作中で原作者殺した?

 

 槍でぶっ刺されたにせよ毒飲まされたにせよ、原作者が声を当てた村人も間違いなくこの回で死んでますよね。いやまあ私個人の邪推に過ぎないのかもしれませんけどちょっと気になったもので。

 

 なんか製作委員会の闇を垣間見たような気分を得たところで、今回はここまでとさせていただきます。

 ではまた次回の記事でお会いしましょう。

アニメ感想文『回復術士のやり直し 第6話』

 皆さんこんにちは。馬込巣立です。

 

 コメント欄の荒らしとふざけた出版業界に向けて喧嘩を売るつもりで書いている本感想記事も、いよいよ折り返し地点に到達しました。

 

 私は「駄作はともかく落書きを出版するな」くらいに考えているため今まで感想を書く際に容赦なくぶっ叩いてきましたが、同時に良かったところがあればそこにも言及はするよう意識してきたんです。

 なのでこれから見ていくであろうもう半分の回復術士についても「ええやん」と思ったらちゃんと触れていこうと思っているんですね。

 

 で、それを踏まえた上で今回はちょっと擁護しかねます。ごめんなさいねなんか。

 

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動画はこちら

www.nicovideo.jp

 

 

 

◆概要

 

 顔をケヤルのそれに改造されたレナードは怒りに任せてケヤルガの故郷である村を襲撃し、村人達をケヤルガをおびき出すための人質として街中で引き回します。それを見たケヤルガは引き回されている人々の中に育ての親であるアンナさんの姿がないことに気づきました。

 

 彼はかつて殺した王国軍の兵士に変身した状態でその兵士の友人に当たる人物に声をかけ、指名手配犯である自分の存在を匂わせることで逆に相手を誘い出しました。

 そしてレナードを罠にはめてから殺害し、アンナさんがいる場所に辿り着くも間に合わず目の前で事切れてしまいます。大切な人の死を経ていよいよ慈悲を捨てたケヤルガは、最後に残された村人達の処刑を阻止すべく罠が待ち受けている闘技場へと向かったわけです。

 

 しかし彼でさえ「自分を殺すことのできる相手」と認める存在、第二王女ノルン姫がジオラル王国に帰国。

 彼女の存在はケヤルガと、洗脳されて記憶を失ったはずのフレイアの心を強くざわめかせていました。

 

 っとまあ、こんな感じでしょうか。

 

 一応今回は結構話が進んだというか、本筋に関わってくる展開になってきたように思います。

 前から思ってたんですが話が止まったり加速したりして落ち着かないんですよねこのアニメ。ルインズスターかよ。

 

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◆良かった部分

 

アンナさんの最期

 

 先に謝罪しておきますが、今回褒められる点はここだけしか見つけられませんでした。残念。

 

 レナードを殺害した後でケヤルガがケヤルとなって捕らえられているアンナさんのいる場所に辿り着くシーン。あそこは演出・構成ともに冴えてた場面だったと思います。

 

 衰弱したアンナさんがケヤルの顔を見て、安心したように息を引き取ってしまい、

 

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 そしてケヤルがいくら回復術をかけても蘇生はできず、死んでしまう。

 

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 これまで主人公のケヤル及びケヤルガを支えてきた絶対的な力でもある回復術が一切通用しないまま虚しく終わる、という一連の流れはアンナさんという登場人物の感情、境遇、そして一つの物語的要素の終焉として整った形で描かれていたように思います。心なしかアンナさんの顔の作画もいつもより気合い入っているように見えましたし。

 

 ケヤルと同じ顔をした男に辱められた女性が、本当のケヤルの顔を見て育ての親として安堵しながら死んでいく様は彼女の慈愛と哀愁を玄妙に表現できていました。

 

 コミカライズ版を読んだ立場だからはっきりと言えるんですが、これアニメオリジナルの展開なんですよ。やはり見ていられる作品に仕上げようというスタッフのプロ意識が強く垣間見える素晴らしいシーンでしたね。

 

 

 

◆悪かった部分

 

相変わらずケヤルガの知能が低すぎる

 

 冒頭で自分が住んでた村の人達が拘束された状態で引き回されているところを見たケヤルガが「俺をおびき出す餌ということか」と発言するんですけど、お前この程度の展開も予想できてなかったの?

 レナードの顔を自分のそれに変えた時点でケヤル本人は無事でも「ケヤルがやった」って事実が王国に伝わるの、最初からわかってたはずなんですよ。なのになんで自分の故郷が無事で済むと思ったのかが謎でならない。

 

 まず一旦は村の安否を置いといて真っ先に自分の身を守る、これ自体は別に構わないんです。自分がいなければ自分の復讐は遂げられませんし、二週目の世界を認識しているからこそできる動きもあるでしょう。

 ただコイツに関しては他人の復讐に加担したりヤる必要性のない剣聖とヤッたりでこれまでに無意味な行動をし過ぎているのが問題なんです。そんなんやってる暇あったら村人に事情話して自分の居場所だとかそういった情報を王国に売らせてヘイト削るとかやれることあるでしょ。

 

 ていうかそもそもオメーがレナードの見た目を自分の姿に変えるとかいう場当たり的ムーブしたからこうなってんだよ。拷問されてる間ずっと何の計画してたんだ。

 

 で、その後で行列を見て「アンナさんがいない、無事だといいが」とか言ってるんですけどクレハから「村はもう手遅れだ」って聞いてまだカップラーメン作る時間も経ってねえんだよ。村が手遅れなのに特定の一人だけ無事なわきゃねえだろ。

 

 

 

シリアスなシーンで無意味にコメディタッチな描写を挟む

 

 このアニメにしては珍しく演出方面でのダメ出しをします。

 

 ケヤルの故郷の村人達が出てくるシーンにおいて、結構彼らが雑に扱われてる描写がされるんですね。

 

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 ここって普通に考えれば「村人達かわいそうだな」と視聴者に思わせる意図が含まれている場面のはずなんですが、この後でケヤルガがクレハとキスした際に(別に恋人でもなんでもねーはずの)フレイアとセツナが過剰反応を示すんです。

 

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 あの、視聴者の情緒を何だと思ってるんですか?

 

 ここって救うべき相手が悲惨な思いをしているっていうシリアスなシーンであって、見ているこっちはセフレどものラブコメもどきなんざ求めてないんですよ。何ならこの重い空気が漂ってるであろう状況下でキスしてるケヤルガとクレハも頭おかしいんですけど。

 なんか見てて馬鹿にされている気分になりました。

 

 

 

言葉が本当にただの「言葉」でしかない

 

 なんかケヤルガがやたらと「アンナさんは俺にとって大切な人だった」アピールするんですけど上にも述べた通りコイツその大切な育ての親を守るために行動したりもせず放置して、金と薬と嘘と【回復】を駆使してセフレ作って遊んでたんですよ。自分が王国の偉い人全員に殺意抱かれてるくらいの認識は持ってていいはずなのに。

 そんで「あの人は俺の最後の良心だ」「あの人がいたから人間に絶望せずに済んでいた」とか言い始めてますけどお前の復讐に人間全体関係ねえよバカ。その大事な人を八つ当たりの口実に使うなボケ。

 

 もう言えば言うだけ「お前本当はアンナさんどうでもよかっただろ」ってボロが出てくるんですよこのガンギマリホモ太郎。言っときますけどアンナさんの件に関してはコイツも間接的な加害者ですからね。

 

 それともう一つ。

 

「アンナさんは唯一打算なしに自分を愛してくれた」「俺の育ての親になってくれた人だった」ってずっと自分の感想だけ並べてますけど、具体的な思い出を一切語らないせいで話が薄っぺらくなってしまっています。

 ただでさえアンナさんって第1話の前半でちょっと出てきただけのキャラなのに、エピソードも出さずに育ての親がどうこう言ったところでそんなの肩書きでしかないじゃないですか。

 

 割とアンナさんというキャラクターそのものは今回魅力的に描かれていたのであんまりこういうこと言いたくないんですが、こういう雑な扱いのせいで「重要な登場人物が死んだ」って感覚があまり無いんですよね。ギミックが作動しただけって感覚に陥る。

 

 

 

ヤるな

 

 今回個人的にいっちばんキツかったのがアンナさん死亡後の濡れ場シーンでした。

 

 ちょっとこれに関してはマジでひどいと思いましたね。大切な人が死んだその日の夜に女を抱くか普通?

 しかも「今日は優しくしてやれない」ってお前レナードがアンナさん犯すところ追体験したはずだろ。それでセフレと奴隷を乱暴に抱く気になる意味が全くわからんわ。

 

 こういう時って過度のストレスで興奮自体できなくなるものだと思いますし、育ての親を陵辱した記憶を追体験したなんて日には一生女抱けなくなってもおかしくないじゃないですか。そこで自分の性欲に肯定的になるってもう、流石にこれは地上波アニメの主人公としてやっちゃダメ。やるならOVAでやれ。

 

 こういう「大切な相手の死を蔑ろにする描写」っていうのすげぇ嫌いなので、今回はそういう意味でしんどかったです。

 しかも女抱きながら泣いて涙の理由を「自分にはまだ人間性が残ってたのか」とか言い始めるんですけど、これもまたキツい。恩人の死を口実にセフレと乱暴なプレイしてる奴が自分を美化するとかどこまでも醜悪だな!

 後の方のシーンでガンギマリホモ太郎が口にする「人間はなんて醜く残虐なのだろうか」ってセリフが自己紹介にしかなってねえ。

 

 

 

まだこの状態での復讐を続けるつもりでいるのがおかしい

 

 一応言っておくと「もう復讐するのはやめろ」という話ではありません。ただ二週目の世界でアンナさんが死んだという事実をケヤルガが受け止めた以上、現段階での復讐計画放り投げて次の三週目を始めない理由がわからないんですよ。

 

 だって普通にまた世界ごとやり直せばアンナさんは生き返りますし、体も汚されてませんし、嫌な記憶もない状態なわけですよね。ていうか村人全員無傷でいられますよね。

 そこで彼女達に危害が及ばないよう計画するって手もあるはずなんですが、自分の復讐に不必要な場面で謎理論展開して世界やり直しておきながら絶対必要なところでやり直さないのどう考えてもおかしいでしょ。

 

 まあ多分ケヤルガ的にも作者さん的にもアンナさんとかどうでもよかったからこういう雑な扱いしてるだけなんでしょうけどね。本当にギミック扱いしかされてねぇな彼女。

 

 

 

ノルン姫の説明と描写が不足している

 

 以前からちょいちょい名前が出てきたノルン姫ですが、今回から本格的に登場するようですね。

 で、恐らくシナリオ上の意図としては彼女のキャラクター性を「コイツは異常者だ」という風に説明したいんでしょうけどここでもエピソード不足の弊害が出てしまっています。

 

 なんか遊び感覚で人を殺せるやべーやつみたいな説明がケヤルガの口から出てくる割に、本人の登場シーンでは半裸のおっさん蹴飛ばしてたりケヤルに小便引っかけてたりしてるだけ。

 こうなると見てる側としては「サイコな殺人鬼ってよりただ性癖こじらせただけの子供やんけ」としか思えないんですよ。敵キャラとしての格が一気に下がる。

 

 コミカライズ版では回想シーンで魔族だか何だかの死体を積み上げて燃やしてたりしたんですが、いやはや魅力のないキャラになってしまったものですわ。

 まあ本来なら今回の話ってアンナさんが死んだところで終わらせるべきエピソードであってノルン出すの次回で良かったと思うんですが、無駄に女とヤッてるせいで尺足りないんですかね。だとしたら間抜け過ぎるな。

 

 

 

アニメも折り返し地点まで来たしそろそろ触れるけど

 

 この「回復術士のやり直し」というアニメについて、今まで思っていても言わずにおいたことがあります。

 一言で言うとサブタイトルがダサい。

 

 以下、これまでのサブタイトルです。

 

第1話 回復術士は、やり直す!

第2話 回復術士は、フレア王女を壊す!

第3話 回復術士は、奴隷を買う!

第4話 回復術士は、セツナを手に入れる!

第5話 回復術士は、新しいおもちゃを見つける!

第6話 回復術士は、血と涙を流す!

 

 そして次回予告で出てきた7話のサブタイトルが、

 

 

 

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 ガキ向けのアニメでも今日日もうちょっと工夫凝らすわ。

 

 何なんですかねこの患ってる割に理想にセンスが追いついてない中学生みたいなネーミング。

 別に「回復術士は、」で始まるタイトルを一貫するのは悪くないんですが許せるの1話くらいなもんであと全部ダサい。末尾の「!」が余計に幼稚さを際立たせています。

 

 まあこれに関しては本当にダサい以外に言うこともないのでこのへんにしときましょうか。

 

 

 

◆総評

 

 今までで一番演出が光る回であると同時に、今までで一番主人公がクソな回でもありましたね。

 作中でもそれこそ唯一と言って構わないであろう常識人のアンナさんが死亡し、いよいよ救いようのない話になってきたのをひしひしと感じます。とりあえず強引にセックスシーン入れるのをそろそろやめろ。

 キャラクターの作り込みが甘いためその間で交わされるやり取りも希薄なものとなってしまい、物語全体が無味無臭となっているところにバランスとか一切考慮せずゲスな主人公と性的描写を投入するものだから結果クソになってるのがこの作品だと思います。

 

 あとアニメレビュー動画界隈を見ているとこの作品を視聴していて不快感や虚無感から「もうレビューするのが辛い」という人も出てきているようですが、ちょっとそれはこの作品に期待し過ぎているのではないかと思うんですね。

 

 準備運動の時点でウンコ漏らしながら踊ってるような奴が運動会で活躍できるわけないでしょ。

 そのレベルの話なんですよ、これ。 

 

 公衆の面前でウンコ漏らしたガキを企業が金の力でゴリ押ししているのがこのアニメの惨状の正体であって、我々はそこに「普通にリレーでバトン受け渡したり玉投げしたりできる子供の姿」を期待するべきではないんです。そういうちゃんとした子供は別にいるって最初からわかってるじゃないですか。

 じゃあどうするべきかっていうと「ウンコ漏らして踊り散らかしてる奴が次はどんな奇行に及ぶか」を記録してその悪しき前例から教訓を得るくらいしかないんですよ。

 

 私もこの作品を批判していく中で自分の創作論の正当性を再確認することができているわけですし、バカとハサミは使いようです。創作者は名作ばかりに触れていてはならないという論もありますしね。

 

 何はともあれここから後半戦に入るわけですが、今のところ幸いにも私は感想記事やめたいという領域にまで達していないのでこのまま最終回まで突き抜けたいところです。

 最初から言っている通りここから逆転して物語が面白くなるような奇跡が起これば「面白いじゃん!」という評価に至るでしょうし、まだ私はこのアニメ版回復術士を駄作と断じてはいません。ちゃんと最後まで見届けます。

 

 そんなどうでもいい決意を固めたところで、今回の感想記事を終わらせましょうか。

 また次回の記事でお会いしましょう。

 

 そして、

 

 

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 彼女の来世が、もっとまともな作品の登場人物でありますように。

アニメ感想文『回復術士のやり直し 第5話』

 皆さんこんにちは。馬込巣立です。

 最近ちょっと休日にも仕事を割り当てられてくたびれきっているところですが、どうにか感想記事書いていきたいと思っています。来週に回して二話分まとめてやるよりはその方が楽そうだし。

 

 正直前回があまりにも酷かったもので今回の記事書くの若干怖かったんですけど、まあ流石に二連続でああいう記事にはならなさそうで何よりですわ。

 

 というわけで『回復術士のやり直し』アニメ版第5話の感想を書いていきましょ。

 

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動画はこちら

www.nicovideo.jp

 

 

 

◆概要

 

 流行り病を収束させる準備を終えたケヤルガ一行は商人から薬の代金を受け取り、薬の調合レシピを求める彼らと脅し合いを繰り広げた後に上辺だけの手続きを終えて帰路へ。

 その途中で以前欠損した腕を元に戻した剣聖、クレハと再会する。

 自分と同じ流派の剣術で王国軍の兵士を傷つけたケヤルガを敵と認めた彼女は交渉の余地も見せず斬りかかってきた。

 

 というのがまあ大体のあらすじになります。

 

 今回の話、レビュー動画界隈でも「中身が薄くてあまり語れそうにない」みたいな扱いを受けているようですが私としては糞が詰まってるよか100倍マシだと思います。

 

 では良かったところから。

 

 

 

◆良かった部分

 

金貨が血に濡れるシーン

 

 序盤でケヤルガに絡んできた王国軍の脱走兵をセツナに殺させるシーンがあるんですけど、そこで直接殺す描写を入れずセツナを買おうとして差し出した金貨が血で濡れるという演出が入るんですね。

 

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 ここはいつも通り見事な演出力であると感心しました。

 加えて王国軍の脱走兵に対しケヤルガが放った「お前は敵前逃亡の罪で死刑だ」というセリフも、王国に対する復讐を誓った主人公が王国側の人間に向ける意趣返しの言葉として適したワードチョイスだったと思います。

 

 

 

クレハとの戦闘描写

 

 ケヤルガとクレハの戦闘アニメーション、今回は普通に高評価して差し支えない仕上がりになっていましたね。一部ぬるぬる動いているのが見ていて楽しい。

 

 まあX型エフェクトにやや使い回し感があったのは少し残念でしたが、そこは予算の都合もあるでしょうし強く触れません。

 

 

 

◆悪かった部分

 

脱走兵の挙動が物語として雑

 

 良かった部分で演出を高評価したAパートでの脱走兵のシーンですが、コイツの絡み方が「氷狼族の村を襲ったものの敗走して落ちぶれた王国軍の人間が氷狼族を連れている相手に示す態度」として非常に雑でした。

 

 もはや浮浪者同然の状態で奴隷を引き連れてる相手に絡むってのがまずファンタジー世界においては自殺行為なんですよ。だって貴族や高い地位にいる商人の可能性が高いんですから。

 加えて氷狼族なんて氷の爪を自力で作り出せるような連中、普通に戦闘奴隷の可能性すらあり得ますよね。過去にその種族が助っ人連れてきた事により自分達の軍がぐちゃぐちゃにされた経験があるならまず逆に身を隠すくらいしないと不自然なんですよ、ここ。

 

 あと脱走兵本人の様子もおかしい。

 

 ジオラル王国って敵前逃亡=死刑なんですよね。なんで逃げたのが世間にバレてる状態で軍の紋章らしきものを未だ服につけているのかが謎極まりますし、そもそもそんな立場の人間が王都から馬で一日かかるかどうかくらいの距離にある犯罪都市とかいう最悪な立地条件のラナリッタで酒飲んでる意味もわからん。

 私だったら例え死ぬ可能性が高いとしても歩いて他国に亡命しに行くかあるいは顔を変えるなりして犯罪組織に雇ってもらうべく努力しますけど、そんな程度の認識すら持てない能無しが都市国家で軍に属してたんですか?

 

 

 

復讐のベクトルどこ行ってんだ

 

 商人が連れてきた男達に囲まれて「女二人を守りながらじゃ満足に戦えないだろ」と言われたケヤルガが「こいつらは道具に過ぎないから無視してお前らを殺す」とか言ってるシーン、色々と問題あるんですが一つ触れるなら「フレイアが死んだら復讐を果たせなくなるからまずい」って話はどうしたよ。

 

 この主人公やっぱ頭が相当悪いからか、定期的に自分の過去の発言すら裏切る事があるんですよね。

 

 

 

クレハがケヤルガの顔を知っているという謎

 

 先に言っておくと私が認識している限り第5話中最大のツッコミどころです。

 

 まずケヤルガが剣聖と同じ流派の剣術を使った前回の戦闘、ケヤルガの顔を見てそれを流布しそうなのって王国軍の生き残りくらいなものなんですよ。しかし敵前逃亡=死刑とかいう頭悪い決まり作ってる国のせいでそいつらが情報を提供してくれる可能性はほぼ皆無なため、まずケヤルガの顔を外部の人間が知る機会なんて無いはずなんです。

 だというのにクレハはケヤルガを見て本人かどうかの確認すらせず斬りかかってるんですよ。この時点で強い確信がなければあり得ない挙動なわけじゃないですか。

 

 そして「人違いじゃないか?」という珍しくまともなケヤルガの言葉に対し、この剣聖はこう返したんです。

 

 

「あなたは王国の兵士を殺した重罪人よ。死んで当然ね」

 

 

 

 

 

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 正しいか間違ってるか以前に返答になってねえんだよ。

 

 そして数日前の戦いに触れるも結局最後まで「どこでクレハがケヤルガの顔を知ったのか」が明かされないまま終わったんですけどもしかしてそもそもどういう経緯でとかそういう細かい設定すら全くされていない?

 流石にアニメスタッフもメインストーリーの流れに沿う以上、この崩壊した設定を抱え込んだまま進めるしかなかったのでしょう。かわいそうに。

 

 

 

情報(というか作品の設定)のガバり具合がひどい

 

 大人しくなったクレハにケヤルガが王国の暗部を仄めかすシーン、そこそこ成長しててある程度教養もあるはずの貴族が日常的に見ている亜人の奴隷の由来を知らないっておかしくないですか。

「王都に戻って裏を探ればあっさりと真相がわかる」ってケヤルガが言ってる辺り、多分これって王国の少なくとも貴族社会においては一般常識くらいの知識ですよね。我々の感覚で言うなら小学生が野菜の栽培について勝手に生えてくるものだと思ってるのと同じかそれより下のレベルでしょ。ゆ虐のゆっくりかよ。

 

 もうこれまでに何度言ったかわかりませんけど本当にバカしかいないんですねこの作品。

 

 

 

倫理観が一切ない色欲魔人ども

 

 OP明けの青姦も無駄に長かったんですけど、それ以上に必要ないのがクレハとのセックスシーンですよ。

 

 なんか「償いをさせてほしい」的なこと言って情事にもつれ込んでましたけどその言い分の時点で品性下劣。

 娼婦だってある程度のプライドがあれば自分の体を売ることに償いなんて意識持ちませんって。相手が求めたならまだしも自分からそれ言うのは「私とヤれるんだから許すでしょ」という糞浅ましい前提条件がなければ成立しないんですから。

 貴族の貞操観念と倫理観、こんな若い内からここまでトチ狂ってるのか。ジオラル王国の未来は暗澹としているな……。

 

 しかもそれで許してもらおうと思ってる罪って間違って殺そうとした件についてですよね。お前の股には人命より重いGでもかかってんのか?

 殺そうとした件について謝るなら基本は相手に沙汰を委ねるもんでしょ。罪悪感から謝るしかできなくなるもんじゃないんですか。一度は切り刻んでしまったアルクェイドに心から謝ってる時の志貴を見習え。言うのが遅くなった件も含めてマジで罪悪感に押し潰されそうになりながら謝ってたんだぞ。

 

 で、ケヤルガもケヤルガですよ。アイツどういうわけか媚薬使ってクレハを発情させてましたからね。

 本当に大きな疑問なんですけどこの刃物持った〇〇〇〇とヤる必要性ってあります? 復讐と何も関係ないですよね。味方に引き込むなら罪悪感つつけば良いだけの話ですし。

 ただエロいシーン入れてR-18コンテンツに触れる覚悟もない陰キャ童貞中高生からの支持を集めるためだけのサービスシーンなのかもしれませんが、先に述べた通り流れがクソ過ぎて純粋に面白くないんです。

 

 もうちょっとシナリオ構成の方を頑張ってくれないとマジで陰キャ童貞中高生以外からの支持受けられませんよ。ただでさえ基盤がグズグズなのに。

 

 

 

◆総評

 

 今回の話がレビュー動画界隈の人達から「内容が薄い」と言われる理由、わかる気がします。

 

 最大の要因として、既に何度も言ってきたことではありますが無駄にエロいシーンを挿入してるせいで話の流れが大幅に遅れているというのがあります。しかも地上波放送やニコニコの配信では規制が入る関係で見ていて一切得るものがない。この性的描写のせいで尺を奪われ本編の進行が遅れて話の展開を阻害されてしまうんです。

 特に今回は前半と終盤でそれぞれそういったシーンがそこそこの尺で用意されているため、「商人を騙して金もらって剣聖と戦って仲間にしました」という一行で説明できる内容に丸々一話使う羽目となったわけです。

 

 はっきり言いますけど5話っつったらこのすばならベルディア(最初に戦う魔王軍幹部)倒してますからね。回復術士もやるならブレイド倒すところまで済ませてないとヤバいんですけど、残念なことに先に述べた理由でクッソ遅い。

 

 まあでも前回よりはツッコミどころ少なめだったのでまだマシではありましたよ、第5話。名作か駄作かで言えば間髪入れず駄作認定するしかない出来栄えですが。

 一応次回はようやく本筋が動いてくれそうなので期待しているところです。面白いかどうかで言えば間違いなくつまらないだろうからクオリティはもはや期待してません。今の私は話が進むか進まないかで良し悪しを判断しています。

 

 ではまた次の記事にてお会いしましょう。

アニメ感想文『回復術士のやり直し 第4話』

 皆さんこんにちは。馬込巣立です。

 

 最近は寒いとは言えども日照時間が徐々に延びてきており、春の訪れを感じさせる季節になってきましたね。とはいえ新型コロナウィルスの影響は未だ収まっていませんので不用意に外出するような真似はしないよう心がけましょう。

 

 さて2月11日、建国記念の日に私は家で大人しく『回復術士のやり直し』アニメ版第4話を視聴していました。いやあ有意義な時間の過ごし方だなあ!

 明日は朝早くから仕事だというのに限られた寿命を何に使っているのやら少し悲しい気持ちになったりしなくもありません。

 

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動画はこちら

www.nicovideo.jp

 

 

 

◆概要

 

 奴隷として売られていた氷狼族の少女・セツナを買ったケヤルガは彼女に薬を飲ませて病気を癒やし、復讐の手伝いをする代わりに真の名を明かして本当の意味で奴隷になれと持ちかける。

 先払いでの復讐を求めるセツナに応じて体を重ね彼女のレベル上げに至った一行は氷狼族の村へと移動。そこで住人達に襲撃をかけていた傭兵団を騙る王国軍と交戦し、見事勝利した。

 

 復讐を果たしたことでセツナはケヤルガを信用し、約束通り真の名を明かす。そんな彼女を抱きながらケヤルガは次の行動に思いを馳せるのであった。

 その一方、城から脱走する時に身代わりにされた近衛騎士隊長はケヤルとしての姿のまま王様からお説教を受けているところ。どうにか死刑を免れた彼は復讐心を胸に宿して笑う。

 

 果たしてケヤルガ一行にこれからどのような事態が待ち構えているのか。

 

 というような内容でした。

 ちょっと今回ひっでぇなと頭を抱えているところです。何が酷いってツッコミどころが前回以上に多い。

 

 ひとまず語っていきましょうか。

 

 

 

◆良かった部分

 

アクションシーンは頑張っていた

 

 後半の展開ではこれまでの演出力を戦闘シーンに活かしていてなかなか見応えがありました。特にケヤルガが複数の兵の首を斬り飛ばすところなんかは綺麗でしたね。

 正直他の人が言うほど1話の段階では戦闘シーンに力を入れているように思わなかったのですが、今回は率直な気持ちで高く評価できる仕上がりになっていたように思います。

 

 

 

セツナが毒を流すのをやめると決めたシーン

 

 戦いが終わった後で「ラナリッタの流行り病は氷狼族が水源に魔物の死骸を入れていたから」というのが明かされるんです。まあケヤルガが以前言ってた通りの内容ですね。

 で、それを見てケヤルガが「自分なら毒の代わりに薬を流すことができる」という旨の発言をしたところセツナが「関係ない人まで苦しむのはかわいそう」と言って薬を流すよう要求するんです。

 

 もちろん後々の発言から純粋な優しさだけで発された言葉じゃないのはわかりますし後述するツッコミどころもあって「いやいやいや」なポイントでもあるのですが、ひたすら苦しい思いをしてきた少女がまだ優しさを失っていないという描写をする上で最適なシチュエーションを整えた感じがあります。こういうシンプルなのでいいんですよ、物語ってのは。

 

 

 

◆悪かった部分

 

 さあこっからだ。

 割と今回良かったところ必死に探しましたからね私。本当に今回、一切見どころが無かった2話とは違う方向に悪い突き抜け方してました。

 とりあえず先に言うと「こんなんアニメ化しちゃってるって時点で原作者は頭使って書いてないし編集も誤字脱字の確認くらいしかしてねえんだろうな」という事情が透けて見える内容だったと言えるでしょう。

 

 

 

出たり入ったりする追体験設定

 

 ケヤルガがセツナの体調不良を回復する際、セツナのこれまでの体験を追体験する場面があるんですけどフレアの指を折るところで無かったことになったんじゃねえのかよその設定。

 しかもセツナが腹に一撃喰らったところまで見えてる割に腹を押さえる動作とか一切しないし。自分で用意した設定を都合よく改変するのやめろ。作り手側が忘れても視聴者はそういうの案外全部憶えてたりするものなんだよ。

 

 

 

王国軍の動きがおかしい

 

 一応ですけど王国軍の兵士っつったら言い方変えると国家公務員みたいなものですよね。特にジオラル王国は発展した都市国家みたいですし、待遇は悪くなさそうに思えます。

 

 そんな立場の人間が傭兵団を装って亜人拉致って奴隷商人に売るって何のメリットがあるんですか?

 

 小遣い稼ぎするにしても軍内部で賭け事とかして済ませられるでしょ。わざわざ外部に出張って亜人拉致って、外部出張って奴隷商人に売るんですか? しかも氷狼族とかいう氷の爪っぽいの出して戦うような連中を敵に回してまで?

 

 傭兵団に成りすますにしてもそれの相手をする奴隷商人だってやってるこた商売ですよ。王国軍の兵士を相手取っての取引とか、場合によってはトカゲの尻尾切りされるって商人ならある程度わかりますよね。

 ってことは商人側がよほど頭悪いか王国軍がかなり力入れて隠蔽工作してなきゃおかしいんですが、そんなバカな商人がラナリッタとかいう犯罪都市で生き残れるとは思えませんし逆に商人騙す勢いで手間かけて身分隠すってなりゃ軍の結構上の方にバレた時のリスクが高すぎて割に合わないと思います。

 

 仮に王国上層部も腐ってるからそこまで手間でもないって話ならそれはそれで構いません。ただそうなると商人達の間で「この国は俺ら商人相手に悪どいことしてるから離れようぜ」ってなってまともな市場が形成されなくなるのではないでしょうか。

 ああ、だからそんな頭悪い商人しか残ってないんですかね。なるほど。もしもそういう設定が公式にあるのなら納得できます。

 

 

 

セツナはもっとケヤルガ相手にキレていい

 

 ケヤルガが回復術だけでは治せないセツナの病気を癒やすために薬を飲ませるシーンがあるのですが、なんか意味もなく口移しで飲ませるんですよね。

 

 いや気持ち悪っ。

 

 普通に起こしてから事情説明して飲ませればいいだろそこは。しかもそれで「コイツは自分を襲おうとしている」と判断してビンタかましたセツナにフレイアが「なんて酷いことをするんですか! 彼はあなたを看病してくれていたんですよ! 今だってお薬を飲ませてくれていただけです!」とか言い出すんですけど。

 起き抜けにそんな奇行かまされて看病されてるなんてわかるわけねーだろバカか。ああバカだったわ。これの登場人物全員。

 

 

 

フレイア一人に買い出しに行かせるシーン

 

 ケヤルガがセツナと事に及ぶ直前、フレイアを部屋から体よく追い出すシーンで彼は彼女を買い出しに行かせるんですね。

 

 で、以前「今殺すわけにはいかないから生かしておいてもっと苦しめる」的なこと言ってフレアを殺さずにおいたケヤルガですけど美女一人で買い出しに行かせてマジで無事に戻ってくると思ってんのかな。

 あの、ちょいちょい忘れられてますけどここ犯罪都市って最初に言われてますからね。それこそ人間に敵意持ってて武器がなくても爪で戦える氷狼族なんかよりよっぽど楽に拉致れますよあんな無防備でぽやーっとした身なり良さげな美女。

 

 事によっては復讐を果たし損ねる流れになりかねないんですが、まあ多分そこまで考えて作られてる作品じゃないってだけなんでしょう。絶望しかねえや。

 

 

 

シリアスとしても下ネタとしてもつまらない未来掴み

 

 ケヤルガとセツナが事に及ぶ際、「これはお前の未来だ。掴むか掴まずに終わるか選べ」とかケヤルガが言い出すんですけどマっジっでくだらねぇしつまらねぇ。

 

 これがシリアスなシーンだったとしてやってること男が女にチ◯コ握らせてるだけで絵面が間抜け過ぎるし、ネタでやってるにしても実質一択の状況でヤらざるを得ない少女がクソ野郎に利用されてるせいでシンプルに胸糞悪くて何も笑えない。

 どっちに転んでも低品質が保証されてて逃げ場がないんですけどコレでマジで制作サイドは金稼げると思って作ってるんですか? まあんなわけないんでしょうけど。

 

 何が酷いってこれはアニメ本編と関係ない話も関わってくるんですけど、

 

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 作者さん的には真面目に高く評価されるべき感動的なシーンとして描いていたってのが一番救いようがない。何ならこれすらネタツイとして見てもつまんねえわ。

 

 

 

ケヤルガがセツナを下に見ていて感じ悪い

 

 氷狼族の村を襲っている王国軍を見て怒りに燃えるセツナに「まだ待て」とケヤルガが言うシーンで、彼は泣いて唇を噛み切りながら耐えるセツナの様子を見て心の中で「ちゃんと“待て”ができるじゃないか」とか言い出すんです。

 

 前回の感想で「同じ境遇の仲間が奴隷としてではあっても参入したしここからどう主人公の心が動いていくか」みたいな期待をさせといてコレですよ。お前の「今まで酷い目に遭ってきた」って過去は誰も彼も構わず見下すための免罪符じゃねえからな。少なくともその女の子はお前と同じ復讐に燃える一人の人間であって、お前の立場から見下していい相手じゃねえんだよ。

 これは主人公のケヤルガにだけ向けた言葉じゃなく作品全体に向けた言葉として提示しますけど、復讐をテーマとした物語なら復讐する側である主人公の評価を落とすような描写をしないでもらいたい。ただでさえセツナのエピソードって本筋から逸れてるのに。

 

 

 

復讐の美学(嘘)

 

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ホモ「俺の復讐には美学がある」

馬込「なになになに〜!?」

ホモ「己を害さない者は殺さない(自分から突っ込んで兵士ぶっ殺しながら)」

馬込「エッ、エッ……どうゆうコト?」

ホモ「だが、これはセツナの復讐だ。だから俺は存分に力を振るえる」

馬込「アニメスタッフさんも大変だよネ……」

 

 すみません。このシーン見てる間は意味不明過ぎてハチワレちゃんみたいになってしまいました。

 あのー、アレですね。意味もなく人生やり直して自らケツ掘られに行って急に復讐誓い出すようなガンギマリホモ太郎相手に論理的思考能力を求める方が間違ってるのかもしれません。

 

 

 

いきなり王国全体に復讐を誓う

 

 フレイアの純朴な振る舞いを見たケヤルガが

 

「フレイアとなった彼女からはフレアだった頃の嫌な性格が取り除かれている」

「つまり王国の環境そのものが彼女の悪しき人格を形成したのか」

「じゃあ王国そのものを潰さないとな」

 

 とか言い出すんですけどお前の復讐対象はフレアとブレットとブレイドだろ。無意味な形で元を辿るなバカのくせに。

 ていうかフレイアになってから性格変わってるの自分で性格変えたからじゃなかったんかい。自分が自分でなくなるから元のフレアは怖がってたしそれが復讐として成立するものだと思ってたのにわけわからん理屈をこねるなよ。

 

 

 

氷狼族も氷狼族で頭悪い奴しかいねえ

 

 まず今回の戦い、王国軍の兵士が氷狼族の逃げ遅れを縄だか鎖だかで繋いで防壁の前に連れてきて逃げ込んだ連中を挑発するって形で誘い込む作戦に出てるんですね。

 で、それにまんまと引っかかって飛び出して弓で殺されてくのも大概間抜けではあるんですけど私がこの項目で言いたいのはそこじゃないんですよ。

 

 まず、捕まってる連中がこちら。

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 で、それを見て我慢できず飛び出してきたのがこちら。

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 もうわかる人もいるでしょうけど、これっておかしいんですよ。

 

 王国軍が氷狼族を拉致して奴隷として売ってるのを考えると下手すりゃ捕まった時点で売り飛ばされてもおかしくないんですが、奴隷としての利用価値が高い女が逃げ遅れてて屈強な男(中にはジジイもいる)が逃げ延びてるんです。

 いやそりゃ身体能力的には女より先に男が先に逃げててもおかしくないんでしょうけど、この男ども思わず飛び出したくなるくらい守りたい女達を見捨てて自分らだけまんまと逃げ切ったってことですよね? 最悪な奴しかいねぇじゃん。

 

 自分らがのんびり立て籠もってる内に女達が売り飛ばされてたら間に合わなかったはずなんですよこの場面。わざわざ彼女らを売りに出さず男達の前に差し出してきた王国軍の皆様は思いやりに満ち溢れた慈悲深い善人じゃないですか。それに比べてセツナの名前を全員知ってるレベルで繋がりの濃いコミュニティに属しながら女達を見捨てた男どもの薄情さよ。

 

 とりあえず作者さんには「能力の差がシナリオ展開の根拠として機能しない場合もある」と知っておいてもらいたいところです。

 

 

 

魔物の毒の扱いが雑過ぎ

 

 良かった部分でも触れた魔物の毒ですが、氷狼族の皆さんにはまずお前らが復讐すべき相手は自分達を拉致ってる連中であって無関係なラナリッタ市民じゃねえってことを全力で伝えたい。主人公といい何でこの作品の復讐者達は復讐の対象をとっ散らかすんだ。

 しかもその毒で奴隷として売られた仲間まで病気になってんだからアホ極まるっていうか、本当に目先のことさえ正しく認識できない哀れな知能の持ち主なんだなと憐憫の情さえ湧いてくる。

 

 せめて氷の爪とか出せるなら毒を含んだ水で氷作ってそれで相手を引っ掻くとかできるだろ。なんで倒すべき相手放ったらかして自分達に何もしてない街の連中に仲間すら巻き込む形で危害加えてんだ。

 

 あとこの流れでケヤルガが街に薬を流すようにしたわけですけど商人との取引で扱った薬が値崩れ起こしません? 別にゲスな商人が損しようとどうでもいいと思ってるのならそれでも構いません。ただ商人同士の繋がりを考えるとケヤルガが商人を利用して金儲けするの今回が最初で最後になると思うんですがそこんとこどうなんでしょ。

 何か考えがあってそういう行動に出てるならいいんですがそうでなければ今後資金繰りに苦戦する羽目になりますよね。今回なんて顔と名前隠してるとか関係なしに実在する特定の流派で剣振り回して王国軍を敵に回したんですから、普通に考えれば容易に個人特定されて真っ当な手段で稼げなくなるでしょ彼ら。

 

 

 

◆総評

 

 どんだけツッコませれば気が済むんだよこの駄作は。

 

 前回の方がまだマシだった。何なら2話でさえ「書く手間がかからない」という点では今回よりマシだった。何ならこれでも若干削ったくらいです。

 話の中身としてはセツナとヤッて王国軍殺戮して宴会してセツナとヤッたってだけのはずなのに構成がグズグズ過ぎて本当に酷い回でした。

 

 何が恐ろしいって、一応コミカライズ版で先の展開知ってた私でさえいざ文章にしてツッコミ入れるってなるとこんだけボロボロ出てくるものだって先に予測できてなかったっていうのが一番怖い。次からもヤバい話がどんどん出てくるんだろうなあと今からキツくなってきました。いや観ますし書きますけども。

 

 とにかく今日は疲れたのでこの記事書き終えた後は遊んで食って寝ようかと思います。

 それでは皆さん、また次の記事でお会いしましょう。

アニメ感想文『回復術士のやり直し 第3話』

 皆さんこんにちは。馬込巣立です。

 今回もアニメ『回復術士のやり直し』の感想を書いていきたいと思います。

 

 前回は薬漬けにされたと思ったら2話目にして早々にメイン復讐対象である王女を性的な意味で襲い、近衛騎士隊長を身代わりにして城から逃げた辺りまでやってましたね。

 とりあえずノリで殺した罪無きモブ子二人に謝れよガンギマリホモ太郎。

 

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動画はこちら

www.nicovideo.jp

 

 

◆概要

 

 城から出たケヤル改めケヤルガは身の安全を確保するため、フレア改めフレイアを連れて城下町から離れることに。

 そして訪れたのは自由都市とは名ばかりの犯罪都市ラナリッタ。そこで彼は都市全体に蔓延しつつある病に目をつけ特効薬を作り、多額の金銭を獲得しました。

 その金銭を用いて万が一に備えて自身の身を守るため奴隷を買うことにしたところ、自分と似たような復讐心に燃える瞳を持った少女を発見した……といった感じで3話終了と相成ったわけですね。

 

 今回は前回よかまだマシって具合の仕上がりでしたので、まあまあ落ち着いて見ていられました。とりあえず良いとこ悪いとこ触れていきましょっか。

 

 

 

◆良かった部分

 

各勇者に応じて使い分けられる薔薇

 

 Aパートの回想シーンで術、剣、砲とそれぞれ三人の勇者がケヤルを虐待するシーンがあるんです。

 で、そのシーンを見てみると別々の色の薔薇を画面に映してその時誰がメインとなっているかを演出しているんですよ。

 

 まずテントの中で術の勇者・フレアが行動するフェイズでは逆さに縛られた青白い薔薇。

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 次に剣の勇者・ブレイドのフェイズでは周囲に咲き誇る黄色の薔薇。

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 そして砲の勇者・ブレッドのフェイズ、テントの中に散りばめられた赤い薔薇。

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 回想シーンが終わってから現在の時間軸、恐らくは癒の勇者・ケヤルガのフェイズとして用意されたのであろう場面では赤黒い薔薇が描かれています。

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 相変わらず演出面での技巧はお見事であり、単純な場面転換以上の意味も含まれているように思えてくるのですから凄まじい創意工夫と言えるでしょう。王女であるフレアを象徴する青白い薔薇が逆さまに縛られた状態で火の近くに置かれているところなどはなかなかに示唆的で興味深い。

 内容こそアレな作品ですが、こういう細かな技術力によって騙される視聴者が一定数いそうで恐ろしいですね。

 

 

 

セツナ(最後に登場した女奴隷)の立ち位置

 

 本作の主人公であるケヤル改めケヤルガは復讐者として描かれていますよね。

 そんな彼が自身の復讐のために肉盾として利用すべく奴隷を買おうと立ち寄った奴隷売り場で「自身の目的と無関係に復讐を遂げさせてあげようと思える相手」と出会う、この構図は物語として美しく感じました。

 

 もちろん復讐を遂げさせる意図も自分が愉悦を感じるためというものなので、徹頭徹尾我欲に従った結果と言えます。ただこのシーンにおける目的意識のズレは今までの破綻しかしていなかったものと異なり、同じ方を向いて歩ける相手の獲得という形で話の末端に至るまでの道筋を示す要因足り得るのではないかと私は思ったんです。

 

 簡単にまとめると「孤独に復讐の道を歩む者が心を許せる相手に出会う」ってシーンとして受け止めることが可能なんですよ。

 これは「復讐を終えた後でどうするのか」という問いかけに対するアンサーを用意するため必要なギミックとなります。物語的に極めて重要な意味を持つ場面と言って差し支えないでしょう。

 

 いやまあそんな風にならないって漫画読んでるからわかってるんですけどね。わかっていてもアニメ放送圏内ではそういう見方ができる構成になってるんですから、そこはそういう評価に落ち着くんですよ。

 

 

 

稲田徹さんの名演技

 

 これに関しては深く語りません。マジで凄かったので興味がある方はアニメ本編を我慢して見てください。

 ただどうしても「こんなのに稲田さん出すなよ」という気持ちにはなってしまいました。

 

 

 

◆悪かった部分

 

修正だらけのAパート

 

 毎度指摘している気がしますが、このアニメ今回も性的・暴力的なシーンがあったんですよ。

 まあこの感想記事を書き始めて3回目なのでそれだけだったらもう面倒だし指摘しなくていいかと思ってたものの、流石にAパートのほとんどが規制されたシーンで構成されてるとなると話は別です。時間を無駄にするな。

 

 

 

ラナリッタの住民がクッソ頭悪い

 

 今回出てきたラナリッタという街は病気が流行っていて、その原因というのが水源に投げ込まれた魔物の死骸なんだそうです。

 この事実はケヤルガの翡翠眼で見抜いた情報なのですが、都市の管理者は原因究明したりしなかったんでしょうか?

 

 変な痣が出ているってことは視覚的にもわかりやすい症状が特徴となるわけで、まず罹患者の共通項を調査しますよね。で、そこに共通項がなかったとなれば水源なんて真っ先に調査する対象じゃないですか。

 ケヤルガが到着した時点で本格的に拡がるまであと一週間程度とか言ってましたけど、いかに金持ちつったってあくまでも住民でしかない商人がこの街の伝染病の特効薬に興味を示している」って描写がある時点で管理側が病気の存在を認知してないはずないでしょ。

 ていうかそこそこ立場のありそうな商人も気性の荒さから劣悪な扱い受けてる奴隷も同じ病気に罹ってる時点で緊急事態だと思うんですけど上の人らは何してるんですかね。

 

 あとこの商人ってのも問題があります。

 ケヤルガに薬を売りつけられ薬の有用性を確認する際、「ご自身で試してみては」って言われてマジで自分で試しちゃうの絶望的な知能としか言いようがない。

 一応従者で試す描写はありますけど後遺症の確認とかも必要でしょうし、身近な従者一人だけでは明らかにサンプルとして不充分です。効能の確認は急務であると同時に綿密でなければならないんですが、そこを理解できてない奴がこれから薬を売ろうってのが滑稽極まる。

 何より治安の悪い都市で生活してる割にリスク管理がド下手。あれが遅効性の毒だったら従者共々死んでますからねあのおっさん。

 

 

 

ラナリッタに関するツッコミどころ

 

 そもそもの話、自由都市って「何してもいいし誰も咎めないけど基本全部自己責任」って意味で自由っつってんじゃないですからね。自由都市と言えば聞こえはいいが」という表現から察するに作者さんがそういう意味で履き違えているかもしれないので指摘しておきます。

 正しくは公的な管理ではなく商人などによって自治的に運営されているため税収や軍役義務、場合によっては宗教国家における教義・戒律が適用されない場所ってだけです。普通に自治団体が管理してますし警察機関やそれに類似した役割を持つ組織もあるでしょう。マジで好き勝手やってたらとっ捕まります。

 

 あと1話にて田舎出身でまだ右も左もわからないケヤルにフレアが「この街は美しいでしょう」みたいな自慢してたってことは、国としては国民にジオラル王国を素晴らしい場所として認識させようという意図が少なからずあるわけですよね。

 このラナリッタって街は王都から東に向かって徒歩で数日の距離にあるみたいですけど、そんな馬使えば一日二日で到着するような場所に小汚い犯罪都市が広がってるって体裁悪くないですか。

 作者さんが「西洋ファンタジー異世界ならその辺りの情報は簡単に流れへんやろ今のネット社会じゃあるまいし」とでも思ってるのかわかりませんが、実際の歴史でもああいう時代って吟遊詩人の歌や旅人の噂で有名な国の有名な都市及び周辺環境は普通に流れますよ。

 ゲームとかでも街からちょっと歩いた場所くらいで「ここから先は崖崩れが起きてて進めないよ」って情報くれるNPCとか普通にいるでしょ。ゲーム的に考えてもちょっと土地の感覚や人間の挙動を基礎的な部分で理解できていない描写になってしまっていますね。

 

 

 

ケヤルガが奴隷を求める理由

 

冒険者は腕利きだけど自分の都合で動くから信用ならない。腕利きでなくても肉盾として使える奴隷の方がいい」って理由で奴隷を買いに行ってましたけど、ぶっちゃけそれってフレアを肉盾にして瞬時に傷を回復させれば間に合うんじゃないですかね。

 癒やす際に相手の人生を追体験するって設定は前回の時点でどっか行ってましたし、記憶も好き勝手に操作できるなら恨まれる心配もない。何より彼女は復讐対象なのですからそこに躊躇もないでしょう。

 となると寧ろ倫理観が欠如している冒険者の方が戦力として微妙な奴隷なんぞより扱いやすくないですか。通常の報酬に加えてフレアを好きにしてもいいって条件も付け加えれば戦力増強と復讐を両立できる気がします。多分私が復讐するならそうするでしょうし。

 というかマジで人間不信に陥ってるならそれこそ奴隷なんぞより防具を揃えるべきでしょ。盾や鎧は完全に意思を持たないので奴隷以上に裏切る可能性が低い。

 

 あとここは私も「似てるなあ」と感じたので言及しますが、獣人の少女って共通点からも察せられるように多分この奴隷を買い求めるシーンって盾の勇者の成り上がりをイメージして作られたんじゃないかと思うんですよね。まあこの程度ならパクリとまでは言いませんけども。

 ただ問題として先に述べた点や盾の勇者との設定の相違点などからわかるように、ここで奴隷を買う必要性自体があまりないんです。別に他作品を参考にして話を構築することそれ自体は全然問題ないんですけど、人気作品を参考にして「参考にしました!」で終わってるならそれに創作物としての価値は無いんですよ。

 

 

 

◆総評

 

 コミカライズ版での予習に加えて設定の説明が多かった分、2話よかよっぽどマシでした。なので今回は今までで一番ダメージの低い回となったものの、その代わりツッコミどころがえらいことになってましたね。

 他にも言いたいことは色々あったんですが(「死体が腐り切れば汚染が収まる」という謎理論など)、あまり細かい話してるとキリがないので一部省略しました。

 

 

 しかしこのアニメ見てると改めてハイファンタジーの難しさが実感できます。

 

 今回明らかになった世界観のボロボロ具合を見るに一から世界を作るのって結構大変なわけですよ。私なんかはそういうの面倒なので最初からどうとでも言い訳できる世界観にしてしまうんですが。

 普通に剣と魔法の世界を作るってなるとまあこうなってしまうんでしょうかね。そう思うと神ゲーと名高いゼルダの伝説ブレスオブザワイルドはシンプルながら最適解を導き出している実例なのかもしれません。

 

 ひとまず3話の感想はここまでとしておきましょう。

 色々言いましたがやっとこさ話の内容について褒められる部分があったので今後の流れがどうなるか、これまで通り偏見を廃した目で見定めていきたいと思います。

 

 では、また次の記事でお会いしましょう。

アニメ感想文『回復術士のやり直し 第2話』

 皆さんこんにちは。馬込巣立です。

 前回の記事に引き続きアニメ『回復術士のやり直し』の感想を書いていきたいと思います。

 あれからTwitterとかで調べてみても賛否両論というか否の比率が他のアニメより多い気がするくらいで、やっぱ嫌われてるんですねこの作品。まあ一般向けじゃないジャンルな上に構成も不出来極まるので無理もありませんが。

 

 そんなわけで第2話です。早くも「とっとと終わらねえかなこの駄作」くらいは思ってきていますが、正当な評価をするため頑張って視聴していきたいと思います。

 

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 やはり主に悪い意味で有名なのもあってか『痛いのは嫌なので防御力に極振りします』の感想記事を書いていた頃と比べ、それなり多くのコメントが寄せられました。

 私のような無名なろう作家のブログですら読者さんからの反応がこれだけあるということはまあ相応に注目されているアニメでもあるのかなと。以前話題にした通りめっちゃ燃えてくれれば助かるんですけどね。

 

magomesudachi.hatenadiary.jp

 

 さて、それでは感想を書いていきましょう。

 

因みに動画はこちらです

www.nicovideo.jp

 

 

 

◆概要

 

《回復》による代償を理由に勇者としての役割を放棄しようとするケヤル。しかし王女フレアは彼に薬を盛って牢獄に囚え、部下による拷問と陵辱を繰り返します。

 しかし二周目なのもあってそれすら織り込み済みのケヤルは辛い時間を過ごしながらも半年間耐え続け、薬物耐性スキルの熟練度向上に伴って復讐の実行を果たすのでした。

 

 まあそんな感じの内容なわけですが、先に結論を言ってしまうと今回もアニメスタッフによるシュールストレミングに白ワインぶっかけるが如き努力の痕跡が見えて痛ましい話でしたね。

 

 

 

◆良かった部分

 

ケヤルが覚醒するシーンの演出

 

 牢獄に監禁され薬漬けにされたケヤルが意識を取り戻すシーンですが、こちらの演出がかなり凝ったものとなっていました。

 

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 まず薬漬けになったケヤルがフレアに「薬をくれ」と懇願し、

 

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 嫌悪感からフレアが薬の瓶を振りかざし

 

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 それをケヤルの顔面に投げつけ

 

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 破片が散らばって

 

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 落ちた破片一つ一つにケヤルの瞳が映り

 

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 それらを見つめているうちに

 

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 自我を取り戻す。

 

 この一連の流れが演出としてとても美しかった。

 やはりアニメスタッフも駄作という評価を極力避けたいのか気合い入った作りを心がけているようです。この後の緑色に輝く翡翠眼が画面の切り替わりとともに月と重なる演出も見事でした。

 

 

 

渋谷彩乃さんの演技力

 

 フレアが指をへし折られる時の悲鳴、これが素晴らしく高いクオリティでアウトプットされていました。声優さんの演技に関しては本物と言っていいでしょう。

 なんというかこんなのが初主演ってのも勿体ない声優さんだなあとしみじみ思ってしまいましたね。

 

 

 

◆悪かった部分

 

 すみません、良かったところ演出と声優さんだけでした。いやまあ「話そのものはクソ」って覚悟はしてたんですけども。コミカライズ版で予習してきたのもあって原作の流れはある程度知ってますし。

 では触れていきましょうか。

 

 

またしても無意味なやり直し要素

 

 マジで薬漬けになってまで監禁されるところをやり直す意味がねえ。

 

 回復する度に人生を追体験するってんなら1周目の世界で癒やした連中の顔ぶれくらい記憶に残ってるでしょうし(そうでなくても翡翠眼がある)、別にわざわざ拷問とかされなくても「代償はキツいけど回復役としてがんばります!」みたいな演技しながらどんどん他の人らを回復していけば錬金術でも何でも手に入ったはずなんですよ。

 なんで自分から拷問とレイプされに行ったのこのバカは。

 

 まあこれに関しては既に消えてしまって久しい(一般サイコパスさんのものとは別の)某レビュー動画で言われてた通り、「ケヤルがドMの変態だったから」で説明がつくっちゃつくんですけどね。

 じゃあもっとドM変態ムーブ見せてくれないとわかんねーよ。元の村でアンナさん相手に犬の真似とかしてろよ。

 

 

 

復讐とは無関係なモブを殺した

 

 基本的に復讐譚というものは「主人公に許されざる真似をしでかした相手への報復」が主な見どころとなるんですが、今回映像を見る限りケヤルって復讐対象外なはずの女騎士二人を殺害しちゃってるんですよね。

 いやもうこれに関しては他の人にとってあまり目立ってない部分なのかもしれませんが、復讐がテーマとなる物語の主人公としてはタブーに近い行為だと思います。だってこれでもう主人公も復讐対象と大差ないクズに成り下がったわけですからね。

 

 しかも地下牢でケヤルにあれこれやってる騎士の中にこいつらと同じ髪型の女いなかったはずなので、あの二人に関して言えば本当に巻き込まれる形で殺されただけです。ひたすらかわいそう。

 

 

軽々しく指治してるのは何なんだ

 

 ケヤルがフレアに復讐する際、彼女の指を一本ずつ折っては回復して最初から折り直すというシーンがあるんですがそれお前も指が折れるところ追体験して痛いだろって思っちゃって集中できないんですよね。

 でも特にケヤルが痛がってる様子ないですし、流石にもうアニメスタッフもそこまで演出する前に気力が失せたのか何なのか。いやまあ細かいところっちゃそうなんですけど。

 

 

 

延々映され続ける暖炉

 

 多分これは地上波放送に合わせて編集した部分なんでしょうけど、具体的な復讐シーンで暖炉の絵を垂れ流すだけっていう場面があるんです。

 これで本当にただ暖炉だけを映して終わりならそういう演出として見ていられたかもしれません。しかし合間合間に「ここは映してもOK」と判断したのかケヤルとフレアのやり取りが挿し込まれて、これがテンポを崩す上に物語として果てしなく無駄。こんなんするくらいならいっそ最初から映さなくていい。

 

 1話の感想でも言った気がしますけどこのアニメを地上波放送にした意味ってあります? ないでしょ。やるとしてもOVA、妥当なところならR-18作品として普通にエロアニメ制作会社に依頼すべきだったはずです。

 アニメスタッフは仕事だから仕方ないにしても出版社と作者はもうちょっと頭使ってくれよ。アニメ会社と視聴者に迷惑だから。

 

 不愉快とかでなく人生において無駄な時間だからって理由で復讐シーン飛ばしましたからね今回。本当に不出来な作品だな。

 

 

 

そもそも主人公が魅力的ではない

 

 この作品における第2の致命傷が早くも今回で明らかになった感じです。

 

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 言ってしまいますがケヤルって「理不尽な思いをしたから復讐する」という物語構成に合わないタイプの主人公なんですよ。何ならそもそも主人公に向かない。

 

 過去に何があったとか何をされたとか関係なく、性格のクズっぷりと破綻した論理、ズレまくる行動理念に知能の低さと見る側が共感できない造形の主人公であることはまず間違いありません。

 で、復讐物語の主人公に感情移入できないと復讐にカタルシスを感じられないのでこの時点で物語的な魅力は大きく損なわれます。

 

 物語において必ずしも主人公に感情移入する必要があるかというとそうでもないんですが、復讐がテーマなら話は別です。よっぽどシナリオ構成が上手くない限り共感できない主人公の復讐は傍目にはただの暴行でしかなく、この作品はシナリオ構成が下手なので結果ただの暴行が描かれてるだけなんですよ。

 それ見て何を思えばいいのかって話なんですね。別にスカッとしないし何ならムカムカするし、そういったストレスを感じながらでも得られる深いテーマ性がこの作品にあるわけでもない。

 

 はっきり言って主人公の存在に価値がないんです。これは別の観点から異世界スマホにも言えることですが、あちらは主人公への共感を求める必要性がないだけまだマシ。

 

 なのでこの作品を楽しめる層って本当にエロスとリョナ以外をまともに見てないんだろうなと私は思ってます。それ以外の要素を楽しもうにもこんなもん他のあらゆる作品の下位互換でしかないですし。

 

 

 

◆総評

 

 まあ他にも「復讐とか言ってただヤりたいだけだろ」とか「ケヤルの偽名がケヤルガとかスクエニ舐めてんのか」とか色々言いたいことはあるんですが深堀りするだけ無駄なので省略します。

 とりあえず予想通り酷かった部分予想外にアニメスタッフが頑張ってる部分が交差してる感じで、予想外のダメージがなかっただけ現状他のクソアニメよりマシな状態です。やはり知ることは力だった……。

 

 今後もこのアニメのクオリティなんて知れたものでしょうけど、今回ほど酷い回はしばらくないでしょう。そういう意味では先を知らない方も安心できるんじゃないでしょうか。

 

 ああ、あと本作品の主人公ことケヤルにもなろう系アニメ恒例の〇〇太郎という称号が与えられたようですね。その名も

 

 

 

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 まあ、間違っちゃいない。

 というところで今回の感想は終わりです。また次回もよろしくお願いしますね。

アニメ感想文『回復術士のやり直し 第1話』

 皆さんこんにちは。馬込巣立です。

 随分と前に宣言した通り、本日から自他共に認める問題作『回復術士のやり直し』アニメ版の感想文を書いていきたいと思います。

 

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 私がこのアニメの感想を書くに至った経緯とかについては下記のリンク先にある当ブログの記事をご覧ください。

 

magomesudachi.hatenadiary.jp

 

 まあ知ってる方は知ってると思いますが曰くつきの作品であり、動画サイトにおいてライトノベルの批判的なレビュー動画が消されまくるようになったきっかけの一つと言える存在です。

 ただそういった背景の更に背景みたいな話は作品の出来と関係ありません。面白ければ素直に面白いアニメとして評価し、気の向くままに褒めまくるつもりです。

 

動画はこちら

www.nicovideo.jp

 

 あとこれだけ先に言っておきます。

 私がこの作品の感想を述べる上で、盗作問題について触れる予定は今のところありません。

 

 何故かというと盗作されたと言われている作品群について私自身が無知であるため、「ここはアレのパクリ」と厳密に言及することができないからです。逆に言うと私が知っている作品の盗作と思しき場面が出てきたら「アレのあのシーンと被る」くらいは言及するつもりでいますが。

 詳しく知っている方は個々人でその証拠を提示してくれればと思います。

 

 

 

◆概要

 

 勇者パーティにて不遇な扱いを受けていた回復術士、癒の勇者ケヤルは魔王との戦いを前に自身の力を覚醒させて見事魔王を討ち倒しました。

 で、その魔王の体から摘出した賢者の石という万能アイテムの力によって苦痛と屈辱の日々をやり直すことに。つまるところハイファンタジー作品でループものをやるということですね。

 

 自分を虐げた勇者の一人である王女と出会う前まで戻った彼は、二度目の人生で他の勇者達への復讐を成し遂げるため暗躍するのでした。

 

 と、まあこんな具合でしょうか。

 ファンタジー異世界でのループ復讐ものということで売り出している本作、果たしていかほどのものか。

 

 私はヤングエースUPでコミカライズ版を読んでたので「まあ間違いなく駄作になるだろうな」と察しているのですが、アニメは案外面白くなるかもしれません。とりあえず見ていきましょう。

 

 

 

◆良かった部分

 

序盤の展開がアニメ向けに改変されている

 

 アニメ1話OP明けは主人公が悪夢を見て自宅で目覚めるという場面から始まります。この始まり方は個人的に高く評価したい。

 

 コミカライズ版ではなんかブツブツ言いながらフレアを襲ってるシーンの次にいきなり魔王との戦いに入っていた本作ですが、アニメでこれをやってたら多分初見の視聴者は混乱してたと思います。

 小説や漫画ならサクサク読み進めればいいのでそれも大きな問題はないのですが、映像媒体は映像側の進行に時間の速度が委ねられるのでテンポは大事なんですよ。

 

 そういった弊害を生まないようかなり気遣いのできる始まり方ができていたなと私は感心しました。

 

 

 

ヒールの発想は面白い

 

 アニメだとかなり省略されていてわかりづらくなってしまっていましたが、回復術を「体を元の形に戻す」と定義した上で様々な形に拡大解釈し、戦闘手段に発展させるという発想はなかなか良いと思いました。

 加えて「癒やす対象の経験を追体験しなければならない」という代償の重さも能力の強さに見合ったものです。料理人の腕によっては相当味わい深い作品になるでしょうね。

 

※改めて見直してみると「どういう理屈であんな風に応用しているのか」の説明がアニメ版では大幅にカットされており、映像単体で見ると意味不明な流れになっていることに気づきました。コミカライズ版を先に読んでいたせいで脳内補完したまま話を観測してしまっていたようです。申し訳ありません。

 

 

 

OPとEDは良曲

 

 こういうアニメでは珍しいことに、OPもEDも私好みの良曲でした。普通に購入するつもりでいます。

 特にEDに関して言うと絵面も綺麗なんですよ。

 

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 傲慢さの際立つ王族も奴隷として扱われてきた亜人も敵対すべき魔王も、全員が草原で一緒に眠る様子は普通に美しいですよね。ここはマジで構図考えた人の偉業だと思います。

 

 

 

◆悪かった部分

  

精霊があまりにも怠惰過ぎる

 

 物語序盤、主人公のケヤルは精霊の瞳を手に入れるため脳内に響く声に従う形で精霊がいる泉に向かいます。

 そこで星の精霊とやらに出会ってそいつから翡翠眼という全てを見通す目を受け取るわけですが、このシーンで問題発言が挿入されちゃってるんですね。

 

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「古き盟約に従い、我が友が君の先祖から受けた恩義に報いるため精霊の力を与えよう」

 

 コイツが何を言っているのかは理解できるんですけども、じゃあ泉に来るまで待ってねえで最初から手ぇ貸してやれやって話じゃないですか。

 何ならコイツをメインヒロインに据えて「ここで全てを見通したから未来で起きる悲劇を先読みできた」とかにしとけば後述するやり直しの意味も無難に落ち着いたでしょ。

 

 この作品の基本的な設定に「ケヤルが人生やり直すまではとにかく他の勇者達から酷い扱いを受けてきた」ってのがあるわけで、そこに一切介入してなかったってことは前の世界線においてこの星の精霊を名乗ってる間抜けは恩義とかほっぽり出してサボってたってことになるんですよ。そら友達の恩人の子孫とか関係遠くてやる気しねーってんならわかりますが。

 少なくとも漫画の方では精霊の口からこんなバカ丸出しな発言してなかったと思うんですけど、原作ではあるんでしょうかこういうセリフ。

 

 

 

ヒールの有用性について

 

「回復しかできないから戦闘に参加できず役立たず扱いされた」って話みたいですけどケヤルが薬物漬けにされたタイミングって何度か逃げ出してからなんですよね? アニメでの説明を鵜呑みにする限り。

 

 でも経験を読み取った副作用で動きを模倣できるようになったって話は最初に剣聖を癒やした時点で成立してるわけですから、普通に途中からでも戦闘員として役に立てる余地あったのでは?

 剣聖は純粋な腕なら剣の勇者より上とかって話まであったじゃないですか。そんなのが味方にいる時点で充分な戦力でしょ。

 

 仮にその判断が遅かったとしても「回復しかできないから役に立たない」って判断そのものが戦闘舐めてるとしか思えないんですよね。衛生兵のいない戦場しか存在しないのかこの世界。

 

 

 

復讐するタイミングがおかしい

 

 先に述べた通りケヤルって本来ならもっと早い段階でそこそこの戦闘能力持ってなきゃおかしいはずなんですが、そうなると復讐するタイミング遅くねえかって問題が出てくるんです。

 

 だって他の勇者ども全員魔王に倒されてるわけでしょ。で、ケヤルはそんな魔王を単身で倒せたわけでしょ。

 つまり薬漬けになる前の段階で既に

 

ケヤル>魔王>他の勇者三人

 

 という関係が成り立つわけですよね。じゃあ魔王と戦うまでもねえじゃん。そのままボコボコにすりゃいいじゃん。

 なんで大人しく薬漬けにされてんのかな。バカなのかな。

 

 

 

やり直す必要性がない

 

 恐らく作中最大にして最悪の問題点がコレです。このやり直し要素は今後もあらゆる場面でこの作品の足を引っ張り続けます。

 だってもう一つ前の項目で言った通りその場で普通に復讐できますからね。そんでやり直して何するかっつったら1話見た限り女とヤッてトラウマ再発するだけじゃないですか。この不必要な遠回りに一切の必要性を感じない。

 

 タイトルにも組み込まれている要素がシナリオ上ひたすら虚無のまま進むのってシンプルにクソだと思うんですが。

 

 今回はこんなもんでサラッと流しますけど、これから先ちょくちょくこの設定の雑さがノイズになってくるので覚悟したいところです。

 

 

 

変なところで出てくる魂がどうとかって理論

 

 ケヤルが「世界を最初からやり直す」という宣言をしたところでフレアから「そんなんしたらそっちの記憶も消されますやん」とツッコミが入るわけですが、それに対する彼の返答が

 

「全て消え去ってもこの痛みは絶対に忘れない」

「俺が俺じゃなくなった絶望、苦しみ。全て魂に刻み込んだ

「時間が巻き戻され記憶を失っても消えはしない」

 

 こういうものだったわけです。急に何?

 これで“魂”なるものについての説明が事前にあればまだわかりますよ。それかもしくは「俺の家の近くには星の精霊がいるからそいつの力を借りる」って話ならストレートに納得できる話になるじゃないですか。

 なんで既存の使えそうな設定を無視して説明すらろくにしていない謎理論に走るのか、そこのところが全然理解できなくて最初すっげえ困惑しました。

 

 

 

薬物耐性スキル

 

 薬物中毒にされて定期的に薬を盛られていった中で薬物耐性スキルが手に入ったって話がありまして。

 この話自体は別におかしくないんですよ。そりゃ「スキルってなんだよ」とか色々言いたくなる人もいるでしょうし気持ちはわかりますが、この項目で触れるのはそこまで細かい話でもありません。

 

 このスキルを早い段階で手に入れるため、2周目の世界でケヤルはある行動に出ます。

 

 

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 麻薬効果のある植物やキノコを食いまくり

 

 

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 体に耐性をつける準備をオイオイオイ待て待て待て。

 

 

 まず麻薬効果のある植物やキノコとか言ってますけどどうやって自分を中毒症状に至らしめた薬物が麻薬由来であると判断したのかが謎。同じ症状だからって同じ成分で薬が作られてるかどうかなんて飲んだだけの素人がわかるわけないでしょ。

 仮に翡翠眼があるからわかるってこじつけようにも1周目の世界で飲まされた薬はまだ2周目で見てすらいないじゃないですか。じゃあわからないままですよそんなの。

 それとも何ですか? 歩いて行ける範囲にそんな危険なものが群生してる辺り、例のお薬はケヤルの故郷の名産品で王族御用達だったりするんですか? だとしたら薬の成分について知ってても違和感ありません。

 ただそうなると復讐がテーマの物語なのに主人公が薬漬けにされたのは因果応報でしたっていうオチになりますね。今後全ての展開において爽快感が欠けます。

 

 次に細かいところについて言及しますが、そんな症状が出る草やらキノコやらを摂取しなくても魔王との戦いでやってたように自分を回復すりゃいいだけの話だと思うんですよね。

 つまり記憶を持ち越して勇者になる前の段階まで戻った時点で薬物耐性スキルそのものがお役御免の状態ってことです。何を目指してこんな無駄に苦しむような真似をしているんだろうこの子。

 

 ていうかなんでまた薬盛られて中毒症状になる前提で話進めてるんだよ。何もやり直せてねえよ。最初にフレアに言われた通り同じ人生送ってるだけだよ今んところ。

 

 

 

唐突に出てきた略奪のヒール

 

 魔王との戦いで見せた模倣、改良、改悪はまだ「肉体を操作する」「操作に必要となる過程で模倣するための知識と技術を得る」って名目でアリと言えなくもなかったんです。

 ただ、この1話の後半で略奪のヒールっていうのが出てきまして。

 

 

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 なんか相手の体に手を当てて光らせながら「相手の経験値をいただく」とか言ってるんですよ。いやどういうこっちゃねん。

 相手のこれまでの人生を追体験するのが回復術のデカい代償みたいに言ってたのにダイレクトに経験受け取っちゃってんじゃないですか。なんでこの後の剣聖のシーンで癒やすの嫌がってたんだよ。メイドとヤる度に使ってんだから慣れとけ。

 仮に「兵士とかと違ってメイドは戦闘員じゃないから怪我の記憶を引き継ぐリスクが少ない」と理屈づけしたところで、今度は「戦闘員じゃないやつは回復術士すら使い物にならないとされている世界観でメイドが何のためにレベル上げしてんだよ」って話になりますからね。

 

 せっかく良かったところの項目で「代償としては申し分ない重さ」みたいな褒め方したのにこの唐突に出てきた謎のヒールで全部無駄になりましたよ。上等な料理にハチミツをぶちまけるのやめろ。

 

 

 

◆総評

 

 色々言ってきましたけどコミカライズである程度の予習を済ませておいたからか、そこまでダメージはありませんでした。「こんなもんだよな」という納得があるばかり。

 何なら思ったよりアニメスタッフ頑張ってますよ。PV見た時にはほとんど絵が動かなくて「作画やる気ねーなぁ……」とか口走ったりしたものですが、魔王戦ではぬるぬるとまではいかないまでもそれなり見ていられる動きをしていました。

 ただやはり原作のクオリティは隠しきれないようで、設定の破綻は今のところフォローできていません。

 

 ついでに言うと変に性的な描写を重視してしまっているためそこでテンポが崩れるのも考えものです。

 エロいだけなら短所と言えるほどのものでもないので今回は言及を避けましたが、今後も特に面白みのない修正だらけのシーンを挟んでいくつもりなら立派な致命傷となる部分だと思います。地上波でやる意味ないからね今んところ。

 

 とりあえず第1話の感想はこんなもんにしときますか。

 総評の頭の部分で「ダメージは少なくて済んだ」とは言いましたが良作駄作のどちらかと問われれば迷わず駄作と言い切れる状態なので、今後化ける可能性については期待しないでおきます。

 

 それでは、また次の記事でお会いしましょう。