不在の巣

なろうで小説を書かせてもらっている馬込巣立のブログです

“個人の感想”という至宝

 こんにちは。馬込巣立です。

 

 さて今回の記事ですが。

 

 何と申しましょうか、前回の「私刑との向き合い方」に引き続きギスギスした記事になってしまいます。

 というか前回以上にギスギスする事間違いなしです。何故なら私自身がこの上なくムカついてるからに他なりません。

 

 何に対してここまで憤慨しているのかについて説明致しましょう。

 まず、こちらをご覧ください。

 

www.nicovideo.jp

 

 こちらはニコニコ動画にて一般サイコパスさんという方が投稿されている、「ゆっくりなろう系漫画レビュー」という動画の一つ、「回復術士のやり直し(以下、『当該作品』と記述)」のレビュー動画です。ご覧の通り現在は株式会社KADOKAWAによる著作権侵害の申し立てによって削除されています。

 先に申し上げておきますと今回私のブログで動画内にて紹介されている当該作品そのものの評価・感想は一切書きません。読んでねーし。

 

 まあ、「著作権侵害で動画を削除する」という行為は単体で見るとそこまでおかしな話ではありません。無料で公開されている範囲とはいえ、著作物の画像を動画内に掲載していたのは間違いないわけですから。

 ただそんなん言い始めたら「動画サイトから同じ条件を満たしている動画をどんだけの数消す必要性があるのか」という話になり、次いで「じゃあどうしてこの動画を優先的に消したのか」という疑問に繋がるんです。

 

 少なくとも昨日の夕方に投稿された動画を急いで消すなら相応の優先事項があるはずなんですよ。例えば無料公開されていない部分の画像を掲載しただとかですね。

 でもこの動画シリーズは基本的に無料で公開されている部分、あるいは細かな部分が見えないよう修正された画像しか掲載しません。そもそも私も何度か繰り返し見たのでそんな消される要因となるような部分が無い事は知っています。

 そしてこの動画以前に投稿された数多くの動画は割と全体的に無傷の状態で残っているんですよ。スマホの解説動画なんてアニメ有料部分の画像を掲載しているのに長期シリーズとして名を馳せていますしね。

 

 では何故、この動画を優先して消す必要性があったのか。

 

 すっとぼける必要もないので言ってしまうと、動画内で当該作品を厳しく批判していたからなんです。

 

 動画を見た私が断言しますが、罵倒や(※)言いがかりではなく批判です。ちゃんと物語を読んだ上での純粋な反応です。

 それを出版社が理性的な反論を用いる事もせず、無かった事にしようとしたんです。

 

※「罵倒や~」の部分について、コメント欄にて「あれを罵倒としないのは疑問です」とのご意見をいただきました。見返してみると確かに「罵倒ではない」とするには無理のある内容であると判断しましたので、このように横線を引いて修正とさせていただきます。不適切な表現をしてしまい申し訳ありませんでした。

 

 因みにKADOKAWAによる「当該作品への批判を無かった事にする」という試みは見事に失敗しました。

 現在、一般サイコパスさんとは別の方が保存した動画を再度投稿しています。

 

www.nicovideo.jp

 

※追記 2019/05/08

 気付いたらこちらも消されていたので追記をば。何やら徹底して記録を抹消しようとしているようですが、無駄です。また新しく動画が転載されていたのでこのまま回復術士のやり直しの批判は続くでしょう。

 寧ろ反感を買う一方なので、KADOKAWAの編集部の皆々様には本当に問題があるのは何なのかについてご一考いただきたいですね。

 

 つまりこの動画内で述べられた意見はまだ死んでいません。恐らくまた消しても三度目の投稿があるだけでいたちごっこにしかならないでしょう。

 

 ただ、それはそれとして私個人は今回のKADOKAWAの動きに大変失望しましたし、落胆しましたし、憤慨しました。

 作品を提供する側がその作品に対する感想を言論統制で縛り上げるとかあり得ないでしょ。いつ日本の創作界隈はディストピアになったんですか。

 

 当該作品への批判を消すまでのプロセスがいかなるものであったかなんて私にはわかりません。

 Twitterを見る限りだと作者の月夜涙さんにとある方が動画を紹介していたようですが、それが原因なのかどうなのかを確かめる手段など無いので「きっとこういう経緯で消されたんだ」という憶測は控えます。

 

 ただ、今回KADOKAWAが消そうとしたのは“個人の感想”なんですよ。

 創作に関わる人間が絶対に侵してはならない聖域なんです。

 それをですよ、天下のKADOKAWAが問答無用で踏み躙りやがったんです。00年代初頭からライトノベルに浸かって生きてきた私にとっては信じられない暴挙でした。

 

 このように主張すると、記事をご覧になられている方々の中から「“個人の感想”だからってそんな好き勝手言って良いのかよ」というご意見を頂く事があるかもしれません。

 

 良いんです。逆に悪かったら問題なんです。

 

 そりゃロクに物語を読まないで具体的な内容に触れないまま「○○は下らないガキの読み物」だとか「××ってギャグのセンス無いよね」とか言ってるのは批判とは言い難いでしょう。

 私の作品の感想欄にも非ログインユーザーが内容に触れない批判モドキを書いていた事があったので、そこの分別は作者側の自己防衛のためにもしっかりするべきと思います。「話に引き込まれない」「面白くない」だけで終わらせるだけなら最初から読んでなくても誰だって出来るんだよ。現代日本で教育受けてるならわかってるはずだと思うんだがな。

 

 でもですね。

 しっかり内容に触れた上で「このキャラの立ち位置的にこういう振る舞いが敵を作る事はわかってなきゃいけないはず」とか「固有名詞のオンパレードで読んでて置いてけぼりにされる」とか言われた場合は、どんなに辛辣な言葉で批判されたとしても100%作者が悪いんです。

 そういった感想に対して「偉そうに」と思う人もいるかもしれませんが、ちゃんと見た上で感想まで書いてくれるんだからそりゃ作者より偉いんですよ。書籍化作品に至ってはお金を支払ってくれてる大事なお客様です。

 

 ちゃんと作品を閲覧した時点で全てのユーザーに“偉そうに感想を述べる権利”が約束されるんです。それが“個人の感想”なんです。

 

 とはいえもちろん私も小説家になろうで底辺ながら小説を執筆している身ですので、批判される事への恐怖や忌避感を理解していないわけではありません。

 批判されるのが怖くて「感想欄にて批判的なご意見はご遠慮ください」と作品のあらすじなどに記載している作家さんがいるのも知っていますし、それは普遍的であり否定してはならない部分だとも思っています。

 

 でもそれって逆を言うなら「批判しないでください」と表立って言っていない、あるいは既に書籍化などの形で収入を得ている場合においては批判されても仕方ないって事でもあるんじゃないかなとも思うんですね。

 まさか作品を読んだ人間全員がその内容を肯定してくれるなんて思っちゃいないでしょ。それもお金を支払った人は「こんなのに金払ったのか」と考えてしまうかもしれません。だったら批判する権利はあると思うんです。

 

 多少言葉が悪かろうとしっかりと内容を読んだ上で出た感想なら、ブクマと5:5評価だけして内容に一切触れず「面白かったです!」しか言わない読者の感想より三億倍ありがたいと思うんですよ。

 私なんて何も言わずにブクマ外す読者ばっかで何が悪いのかも自覚出来てませんからね。こういうのが本物の底辺なんです。批判されてる内が華なんです。

 

 結構話がとっ散らかりましたが、要するに“個人の感想”って作品という刀を研ぎ澄ますための砥石なんですよ。

 作者一人だけで書いてたらどう足掻いても一人分の気付きしか得られない。そうなれば、作品の質を高めるにしてもどうしたって限界があるんですよ。

 

 そこで読者の皆様による客観的な意見を受けて、作者が「耳が痛いな」と思った部分を改善して調整する。繰り返し改善をしていく中で徐々に批判されなくなっていく。

 それが健全な創作の在り方だと私は信じています。

 

 現在、Twitter上でも批判を許さないKADOKAWAの姿勢に疑問を覚えている方が多くいらっしゃいます。

 私も「あわよくば書籍化」とか考えてオーバーラップ大賞に自作品を応募していましたが、なんかもう「金稼ぎたい」よりも「KADOKAWA何考えてんだよ」という気持ちの方が強くなってしまって作品のキーワードから『OVL大賞5』を消しました。

 

 私はライトノベルを心から愛しているので、これからも面白い作品が出ればその都度購入します。

 同時にきったねぇ大人の都合で企業が読者の意見を抹消しようとした今回の件も忘れません。

 

 頼むから、頼むから作品に向けられた声を潰さないでくれ。収益云々なんて下らない理屈で批判を消さないでくれ。

 少なくともここに『回復術士のやり直しを絶対に購入しないと心に決めた人間』が一人いるんだ。あんたらは明確に損したんだ。

 マジで00年代からライトノベルやWEB小説という文化に触れて愛してきた一人のユーザーとして、この小規模な騒動が残念でならない。

 

 一時期書籍化を目指して頑張ろうとしていた私ですが、もうそんな夢は見ません。夢の根本にあるものが外れてしまったので。

 今後の執筆は全てが趣味での活動となります。

 その上で、その辺の書籍化してる作品に見劣りしない作品になるよう尽力する所存です。

 なのでいかなる厳しいお言葉でも、作品を閲覧した上でのものであれば全て受け止めます。至らない箇所を修正し、きちんと完結まで持っていきます。

 作家としては当然の事ですよね。でもその当然の事を読者から金取ってる出版社が出来てないんです。ここで個人個人が腹を決めないといけないんです。

 

 以前からTwitterではちょくちょく言っていた事ではありますが、別にポイントなんざ無理に稼ぎたくもないんです。寧ろ批判的、というか生産的な感想をもらって自作品をよりよい物語にしたいんです。

 間違いなく作者である私のエゴに過ぎませんけれど、主観だけでは限界があるんです。最終的には私一人の力で創造しなければならないのもわかっているつもりです。それでも私一人に閉じられた創作活動では大したもん作れないんです、何せ未熟者なので。

 

 今更になりますが、小説家になろうにて「足跡まみれの異世界で」というハイファンタジーを連載しております。以下にURLを記載しておきますので、宜しければ見に行ってやってください。そして至らない箇所があれば全力で指摘して頂ければ幸いと存じます。

 

https://ncode.syosetu.com/n8077ed/

 

 何だか感情的になり過ぎて支離滅裂と申しましょうか、ぐちゃぐちゃになってきました。

 週末でくたびれてる中、在庫が少ないと言われている「響け! ユーフォニアム」をまとめ買い出来て有頂天になってる中で昨今のライトノベル業界のしょうもない部分を見せつけられて頭が狂ってしまったのかもしれません。

 

 とりあえずこの記事はこの辺で終わりにしたいと思います。

 ここまで読んで下さりありがとうございました。次回はもう少しポジティブな記事を書きたいものです。

 では、また。

 

 

2020/04/22 追記

 

 この記事を書き終えてから結構経つんですが、今もたまにコメント欄に変なのが沸いてくるので虫除け感覚でこちらの記事のリンクを貼り付けておきます。

 反論するのは結構ですが私は無茶苦茶言うだけ言って逃げるような相手であればこういった手も躊躇なく使うので、そこのところ再認識していただければ幸いに存じます。

 

magomesudachi.hatenadiary.jp