不在の巣

なろうで小説を書かせてもらっている馬込巣立のブログです

アニメ感想文『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。 第2話』

 こんにちは。他に書くべき出来事にも恵まれなかったので、今回も前回に続いて防御極振りの感想記事です。

 思えば今期はこれ以外にもマギレコと異種族レビュアーズを見ている状態なので、よほど豊作でない限り1クールで1~2本しかアニメを追わない自分としてはなかなか充実したアニメライフを送っている気がします。

 

 では第2話の感想を書いていきましょう。

 動画はこちらから。

nico.ms

 

 

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◆作品の概要

 

 今回の話は前半部分で無敵要塞ザイガスメイプルがイベントでPvP(プレイヤー同士の戦い)に参加し、後半で友人のサリーが仲間に加わるという内容でした。

 で、先に言ってしまうと前半がクソだった割に後半がめちゃくちゃ面白かったです。

 

 そこら辺の説明も含めて書いていくのでよろしく。

 

 

 

◆良かった部分

 

パラライズシャウトの描写

 

「前半はクソだった」と先に書きましたが、例外としてこの描写は普通にかっこよかったので全力で褒めたいと思います。

 

 多分「音を立てて敵を行動不能にする」みたいな技だと思うのですが、その際に剣を鞘に納める動作で音を出すんですよ。

 

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 仮にオマージュだとしてもチョイスが渋くて好き。VRMMOで龍鳴閃使うとかなかなかな発想だと思います。

 

 

 

鈍足設定が継続して活かされている

 

 友人のサリーが仲間に加わった際、一緒に目的地に向かう場面で彼我の歩行速度の差が描写されます。遅いのと速いのの二人なのでただ歩いてるだけなのに距離が開いていくという問題が発生するわけです。

 

 この時彼女らの足の速さは「ごっつ遅い」と「ごっつ速い」の両極端なので、普通に歩いているだけでも片方が片方を置いて行ってしまうんですね。

 その結果、サリーがメイプルをおぶって移動するという形で二人の速度差を解消するのですがこれこそ前回の記事で言及した「デメリットのメリット」なんですよ。

 

 この作品について私は大した知識を持っていませんが、「女の子の可愛さ」と「女の子同士の友情」を描く上で非常に効果的な演出ができる設定だと思います。

 

 更に作中でメイプルが「すっごい速かった」と感心しているように、一人ではできなかった事が加入した仲間によって実現できるようになったという物語的説明を最速且つ適切に済ませています。

 のみならず、おぶられている状態でメイプルが戦闘を補助する描写により信頼関係の構築と役割分担も済ませられているところが本当に素晴らしい。

 

 ここらへんのシーン全体は本気で手放しに高評価します。あと挿入歌も神。

 自分も物語を作る側の人間なのでわかるんですけど、基本を踏まえた名シーンだったと言えるでしょう。美味しいからって何にでもマヨネーズぶっかけてちゃあダメなんだ……こういう基本の味を大切にできるというのは本当に素晴らしい……。

 

 

 

サリーの水中戦

 

 前回は褒める時に「あまり際立って面白い部分はなかった」と言いましたが、今回はここが際立って面白かったので是非皆さんにも見ていただきたい。

 

 本アニメの監督は落第騎士の英雄譚でも監督を務められていた大沼心さん。第2話における終盤のボス戦はまさに落第騎士よろしく中二心を揺さぶる大変燃えるシーンだったので今回特に推したいところです。 

  

 まず水中で巨大生物と戦うって時点でロマンあるんですけど、個人的にツボだったのがその巨大生物による魔法っぽい攻撃でした。モンスターが魔法陣出して攻撃するのめっちゃかっこええ。

 

 ここの戦闘シーンが全体的に作画も構成もクオリティ高くて1話の毒竜が哀れに思えてきてしまう。

 ダメな箇所の方で説明しますけどただ食い殺されただけでなく、作品の価値を落とす方向で復活を遂げちゃってるんですよ。誰か彼を救ってやってくれ。

 

 

◆悪かった部分

 

バトルロイヤル

 

 ぶっちゃけ今回ダメだなあと思ったのはこの項目一つで説明できるので、まとめてご紹介していきます。因みに先に言っておくと、私は「主人公が集団相手に圧倒的な力で勝利する」という展開を否定するつもりなどありません。

 んでですね、そこを踏まえた上でこれからどんどん責めていきますけどもう全体的にアウト。作中からこのエピソード全部抹消した方が良い。DVD/BDを出すとしたらここカットして高校での日常描写入れとけ。こんなカスみてぇな話作ってたら作品の質が落ちる。

 

 失礼、個人的な意見とはいえ度を越したクソだったため感情的になりました。一つずつ言及していきます。

 

 まずメイプルが強いのはいいとして、他プレイヤーがアホの集団過ぎる。

 呑気にお絵描きしてるところにわざわざ声かけてから攻撃するわ、名乗り上げながら特攻するわ、せっかく集団で囲んだのにリーダー格が情報も集めきってないまま最速で突っ込んで負けるわ。

 バトルロイヤルだからチーム戦みたいに各々の短所を補完できないのは仕方ないんですけど、それでも一旦協力体制に入ったんなら斥候に様子見させてから対策するくらいはしろや。

 

 それと悪食とかいう害悪スキルの存在も捨て置けません。

 強いスキルがある、それ自体は構わないんですよ。ただ「盾に触れさせたら相手が死ぬ」って絵的に虚無が過ぎるでしょ。

 戦う描写がかっこいいわけでもない、動作にキャラクター的な可愛らしさがあるわけでもない。

 何? これ何? 何を面白いと判断してこんなもん採用した?

 あんま言いたくないですけど作者さんは「こうしたらつまらなくなる」という思考を持っていないのでしょうか。仮にこの作品の趣旨が可愛い女の子によるゲームプレイ風景を楽しむというものだったとしてこの悪食とかいうスキルいらねえだろ。

 

 次なるクソスキルが毒竜のやつですよ。ヒドラだかヒュドラだか知りませんけども。

 ソロプレイで倒したら特典装備がもらえるレベルのボスキャラをプレイヤーが一時的にとはいえ復活させるってお前、馬鹿! お前馬鹿!

 百歩譲ってこれが純粋なファンタジー小説ならまだ設定的に無理がないんですよ。でもこれVRMMO作品ですからね。運営も他のプレイヤーも主人公と同じ現実世界に生きている人間なんです。「不平等がユーザーの減少に繋がる」という最低限の意識が圧倒的に足りていない。

「こんなんしたら周りの人達がどう思うかな」と少しでも良いから考えて話を構成してほしい。

 

 で、最後。一っ番引っかかったところについて言及していきます。

 バトルロイヤルにてメイプルと戦った他のプレイヤー達が、パラライズシャウトで麻痺して毒竜の毒で負けていった描写。

 前回の記事を読んでくださった方はもう私が何に引っかかったかおわかりでしょう。

 

magomesudachi.hatenadiary.jp

 

 麻痺も毒も状態異常ですよね。

 

 耐性はどうした?

 

 このゲームの仕様、プレイヤーは状態異常を受ければ受けただけそれに耐性を持つようになるはずなんですよ。そう作品の中で説明しちゃってるんです。

 

 では既に毒無効スキルを持っている主人公のメイプルよりも経験豊富であろう他プレイヤー達はそこんとこどうなのかと言うと麻痺って動けなくなったまま毒で死にます。

 

 

 お前ら初心者にあんだけイキっといて今まで何してきたの?

 なんでその程度の対策もせずバトルロイヤルに参加したの?

「毒だ逃げろ!」じゃねンだわ。アイテムやスキルで対抗しろ。

 

 すみません書籍版もWEB掲載版も読んでないのでそこのところわからないんですけど、恐らく序盤のステージであろう森やら洞窟やらで毒持ってるモンスターが出現するゲームで誰も毒対策できてない理由って何かあります?

 それこそ初心者プレイヤーでも簡単に対策できますよね。原作読んでる人から是非ともそこんところの話をお聞きしたい。

 

 この毒竜とパラライズシャウトのコンボについては本当にひどいんですよ。何がひどいって作中自ら提示した情報の整合性をかなぐり捨ててまでやる事が虚無エピソードっていうのが本気で最低最悪。

 

 これ別にリアリティを求めて言ってるんじゃありませんからね。単純につまらない話のために設定が死んだのを見て「残忍な殺し方はやめろ」つってるんです。

 サリーにおんぶしてもらいながら移動するシーンでは創作者として本気で感心しましたが、こちらは創作者として本気で唾棄すべきポイントでした。何のために用意されたんだよこの話は。

 

 

 

◆総評

 

 前半が怒りを覚えるレベルでクソだった割に後半が神アニメだったからか、散々言ったものの後味は悪くありませんでした。このまま後半のノリを維持して最終回まで突き進んでもらいたいところですね。

 

 真剣にこの「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」なる作品のラストを考えるとメイプルVSサリーという構図が一番あり得るでしょうから、途中でシリアス路線に入る展開はちょっと期待しているところだったりします。

 今回の後半みたいな作画であの二人が戦うとなったらそらあもう“萌え”ではなく“燃え”よ。

 

 今回はこんなもんでしょうか。皆様からのコメントお待ちしております。

 では、現場からは以上です。

 

 

 

2020/01/29

 以前こちらの記事で「EDムービーが流されていない」とか妄言吐いてたのでその辺の発言全部消しました。EDムービーの存在を完全に忘却していたせいで一定期間ずっと間抜けを晒していた私をどうか罵倒してやってください。

 恐らくこんな木っ端ブログほとんどの方は見ていないとは思いますが、EDムービーの制作関係者様やED曲の関係者様一同に謝罪いたします。本当に申し訳ありませんでした。