不在の巣

なろうで小説を書かせてもらっている馬込巣立のブログです

アニメ感想文『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。 第5話』

 皆さんこんにちは。馬込巣立です。

 

 昨日初めて友人達と一緒にドミニオンというボードゲームで遊んだんですよ。いやあ戦略性を問われると言いますか、自分じゃ全然勝てなかった。

 でも効率とか度外視してただアホみたいな動きをするのもそれはそれで楽しくて、負けまくりながらも「またやりたいなあ」なんて思ったものです。

 

 というわけで防振り感想文、今回は個々人の戦略・戦術・戦法の問われるメダル集めイベントが終了するまでの話です。

 

動画はこちらから

nico.ms

 

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◆作品の概要

 

 メダル集めのイベントにおいて新たなプレイヤー・カスミと接触した主人公二人組は、彼女と一緒に流砂に飲み込まれてダンジョンに到達します。しかし三人で協力しあってどうにか迷宮を踏破、ついでに最初は敵対的だった彼女とも仲良くなりフレンド登録を済ませて一旦の別れへ。

 

 その後またメダル集めに奔走する中でレベル5のプレイヤー・カナデとも邂逅。彼から謎解きのヒントを得た二人はボス戦を経てまたもメダルを手に入れました。

 しかしやはり枚数が足りず、サリーがPvPで追加のメダルを収集。これにより指定された枚数を集め終えた二人は再度カスミとも合流し、三人揃って洞窟内でイベント終了までやり過ごしたのでした。

 

 とまあこんな具合なんですが。

 先に言っておくと今回、虚無回でした。おかしいな仲間が増えてイベントが終わって一定の成果を得たはずなんだけどな……。

 多分批判する箇所が結構な数になるかと思われます。楽しんで視聴できたという方には非常に申し訳ない。

 

 

 

◆良かった部分

 

カナデの存在

 

 今回、レベル5という貧弱プレイヤーのカナデが登場しました。彼の存在はある意味この作品の中では異質と言えます。そしてその異質さが良い方向に働いているとも。

 

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 カナデは低レベルながらもイベントに参加し、メダル集めという目的から逸脱して行動しています。

 

 ここで注目すべきは彼の行動指針がどこまでも彼固有のものであるという点です。

 

 良し悪しとは別として今回のイベント、メイプルもサリーもカスミも「メダルを集める」という運営側に示された目的で自らの行動を決定しているんですよ。その中にあって「メダルに興味がない」と断言するカナデの存在は、強く印象に残ります。

 

 作中設けられた(ある意味視聴者も踏まえておくべき)ルールから独立したポジションのキャラクターという存在は、様々な展開に繋げる事が可能です。仲間として行動をともにするも良し、友好的な顔で接近しておきながら敵対するも良しという物語上の万能食材と言えるでしょう。

 

 スタッフが意図したのかは不明ですが、その明確な差異は演出面でも表現されています。

 

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二人とカナデが砂の城で隔てられている

 

 今後彼がどのように動いていくのか。そこを上手く料理できるかどうかだと思います。

 多分このカナデというキャラクターをこれから先どう扱うか次第で作品全体の方針が一気に変わるんじゃないでしょうか。そのくらい個人的には気になるキャラでした。

 言ってしまえば方向性が違うだけで「支配者の意向を無視して動く」というパーソナリティはソードアート・オンラインにおけるPoHと同じですからね。面白いんですよ、こういうキャラ。

 

 あと細かい話ですが「衣服がちゃんと初心者っぽい」「骨格がきちんと少年のそれである」という点も高く評価している部分です。そこは手を抜かない辺りやはりプロだなぁ。

 

 

 

◆悪かった部分

 

 すみません、これでも頑張って探してみたんですが褒められそうな部分がカナデのところしかありませんでした。

 まあ何となく前回の引きの時点で「次回はあまり期待できないな」と薄っすら思ってたんですよ。だってこの作品PvP要素が面白い展開に繋がるってケース自体稀なので。

 では一つずつ指摘していきます。

 

 

 

相変わらずPvPを面白くできていない

 

 まず序盤で喧嘩売ってきたカスミですけど、絡んでおいて「二人相手じゃ勝てないから」と逃げ出すんですよ。最初から絡むなそんなんだったら。

 そしてダンジョンで「誰かが死ぬとつながってる他のプレイヤーも死ぬ鎖」で縛られてからは行動をともにするのですが、鎖が外れてから普通に謝ってフレンド登録して別れるんです。

 

「そこで戦わねえんだ!?」ってなりました。

 

 前回触れませんでしたけど、少なくともサリーはPvPに対して「やっぱPvPって燃えるわ〜」みたいな肯定的発言してるんです。更にメイプルも今回、「PvPは普通にルール上問題ないんだから」とカスミに向けて言っています。

 じゃあそこは一応決着つけろよと。別にギスギスする要素でもないんだから。

 なんかサッパリしないなあ、と思っている間にも彼女らはフレンド登録だけ済ませて別れてしまいました。「仲良くなったから戦うのをやめる」って展開に納得いかないのは私がおかしいからなんでしょうか?

 

 その後のサリーのPvP無双は特に問題ありませんが、逆に問題ないだけに「じゃああの時も戦えや」という気持ちになってしまうシーンでもありましたね。

 

 

 

相変わらず毒竜がひどい

 

 この場合の「ひどい」とは「残酷な使い方をする」という意味ではなく「ひどくつまらない」という意味です。それくらいに今回の海王戦、割とひどかったんですよ。

 

 水の中に本体がいて、自分達に向かってくる触手をいくら攻撃してもダメージにならないから水に毒をぶち込んで殺す。

 その手法自体は発想として面白いんですけど毒竜である必要が皆無なんですよ。

 話としてつまらなくなる、というのが何よりも深い問題です。あんな便利で強力なスキル使ってたらそりゃ大半の敵には勝てるでしょうよ。私がメイプルの立場でも楽勝ですわ。

 

 ベノムカプセルとかいうこの状況でこそ光るスキル持ってたでしょメイプル。あれで泳げないながらも水中を移動して触手に絡まれながらイカに密着し、パラライズシャウトで動き止めてからカバームーブで吸盤でくっついてるイカごとサリーの近くにワープして、そこから二人で本体叩くとかやりようあったでしょ。

 

 なのにここでも馬鹿の一つ覚えみたいにヒドラヒドラって、スマブラだったら「ワンパターン戦法」で減点されますからね。

 そして安定の毒耐性を持っていないボスというオチ。普通RPGの、それも運営が負けると思ってなかった奴に状態異常が通るってあり得ますか? まああの運営の馬鹿さ加減を見るにあり得るゲームなんでしょうけど。

 

 やはり毒竜は忌み子であった。

 

 

 

相変わらず登場人物の認識がガバガバ+α

 

 後半のPvPにて、サリーは「メイプルは顔が知られてるから連れていけない」と発言しているんです。まあ効率を考えるならそうなるか、とその時私は思ったんですがメダルを集め終えてからの彼女らの行動がちょっとおかしい。

 

 顔が知られてるから他プレイヤーに戦闘をしかけようとしても逃げられる、という理屈が通るとしましょう。その場合、逆説的にメイプルを前に立たせておけば隠れる必要ないって話になるんですよ。相手の方から逃げるんですから。

 しかも前回のイベントで6位だったカスミまでいるとなればまず喧嘩売られないでしょ。

 

 それだけならまあ、どんな認識だよと思いながらもこうしてちくちく言うほどの話ではなかったんです。

 けれどもわざわざ隠れる際にまで毒竜使ったんだったら話は別。視聴者に「またこれかよ」と思わせる要素をこんなところにまで入れるな。

 

 毒竜のスキルの効果って何でした?『ボスの毒竜の力を借りる』とかそんなだったと記憶しているのですが。

 1話で一区画を毒で汚染して移動の邪魔をするなんてやってましたっけアイツ。

 ホントもう、この毒竜の要素に関してはいい加減にしろと言いたい。

 

 

 

◆総評

 

 今回はもう、虚無でした。ダメだった箇所も今回に限り際立ってダメというのではなく「改善されていない」という部分だったので、ただつまらないだけに終わったというか。

 加えてイベントの進行が早すぎる割にどうでもいい部分で尺を使ってしまっている印象が強い。海王との戦いをダイジェストで省略して、代わりにサリーVSカスミの戦闘シーンを入れた方が個人的には嬉しかったくらいなんですけどね。

 

 改めて再認識しておきたいんですけど、この作品ってジャンルとしては何に該当するんでしょうか?

 

 VRMMOはあくまでも舞台設定であってそれそのものは物語のジャンルじゃありません。となると趣旨は何なのか、というところでどうにもわからなくなってきてしまったんですよ。

 

 バトルものだとするのであれば主人公が画面映えしない上に、戦いに対して意欲的なのか消極的なのかはっきりしない。

 美少女キャラの日常ものだとするのであれば、キャラの掘り下げがいまいち足りていない上にバトル要素が邪魔になっている。

 

 ちょっとどういう作品にしたいのかが見えてこないんですよね。だからかもしれませんが「これは何だ?」という答えのない問いかけが頭の中に居座って作品への没入を妨げるんです。

 その辺のアンサーをアニメ放送圏内ではっきりしてくれればと思います。

 

 それでは、現場からは以上です。