不在の巣

なろうで小説を書かせてもらっている馬込巣立のブログです

アニメ感想文『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。 第7話』

 どうも、馬込巣立です。

 

 最近何やらウィルス関連の話題が尽きませんね。マスクが売り切れだとかよく聞きますが、満員電車などでの濃密感染を思えば焼け石に水といったところじゃないでしょうか。

 皆様もマスクをしているからと油断せず、手洗いとうがいの徹底を心がけましょう。

 

 そしてウィルスとは異なりますが、毒と言えば我らが忌み子・ヒドラくん。

 更にその弟に当たる悪食くん。

 

 今回も出張ってきたので正直ちょっとげんなりしたりもしましたが、まあその辺は感想で説明していきたいと思います。

 

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動画はこちら

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◆作品の概要

 

 今回は大きなイベントなどがあったわけではなく、ギルド“楓の木”における人間関係の確認と新たな装備品やスキルの取得に描写が集中している回でした。

 物語的進展はなかったものの1クールの半分以上が終わっての日常回ともなれば、波乱の予感というか期待はしても良さそうかなと思います。

 

 まあのっけから毒竜出しやがった関係で私は相当イラッとしましたが、良い部分もあったのでそこから言及していきましょう。

 

 

 

◆良かった部分

 

人間関係の描写がしっかりされていた

 

 2話の感想で私はメイプルとサリーの関係性について触れました。「足の遅いメイプルがサリーにおぶられて早く移動できるようになる」というシーンですね。

 あれは個人的にかなりの名シーンだったのですが、それに近い描写が今回も見受けられたんです。

 

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 自身と同じく移動速度が遅い双子と効率よく移動するために、メイプルがベノムカプセルで二人を運ぶシーン。

 まあ「そもそもベノムカプセルの正しい用法がわからない」という難点もあるものの、これは過去に遅さを仲間のおかげで克服できた主人公が新たな仲間の遅さを自らの手で補うという形になっています。

 成長の演出として美しいと思うんですよね、こういうの。

 

 他にも生産職のイズが武器をあげる、サリーが遅さを補う回避方法を教えるなどマイとユイに関しては新メンバーの扱いとして最適な演出をしているように見えました。

 

 それだけではありません。“楓の木”の数少ない男性PL、クロムの扱いも注目すべき点です。

 メイプルがクロムにシロップを信頼して預け、クロムはそれを「信頼し過ぎじゃないか?」と大人の目線から心配しつつ純粋にゲームを楽しんでほしいと気持ちを表明していました。

 彼はメンバーの中でメイプルと同じ大盾使いであり、彼女と自分のスタイルの違いに戸惑いを覚えたりもしています。しかしその上で彼は仲間として集団に認められ、それを喜ばしく思うと同時にどこか脇の甘い仲間達を悪意から守ろうと決心するわけですね。

 

 今回、ピックアップすべきキャラクターを適した形で目立たせていたなあと感心しました。

 

 

 

NPCの挙動が完璧

 

 メイプルが受けたクエストに登場したNPCの親子ですが、母親の挙動が完璧なんですよ。

 

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 まず巨大な亀に乗って空を飛ぶという移動方法にノーリアクション。

 次いで条件を満たしてから一定範囲外に出ると急にセリフを口走る。

 そして取得済みのアイテムを取り出しただけの相手をベタ褒めする。

 

 例えばシロップに乗って移動するシーンで「なんですかこの亀!?」みたいなリアクションしてたら多分私は違和感を覚えていたでしょう。

 ここでVRMMOとしての体裁を取り戻しつつあるのが個人的には気に入りました。

 

 

 

◆悪かった部分

 

のっけから出てきて死ぬ毒竜

 

 この場合は毒竜がどうこうというより「攻撃力極振りしてる仲間がいるのにヒドラや悪食でボスを倒すな」という気持ちが前に出ました。ベノムカプセルで移動するところは絶賛しましたが、ボス戦こそマイとユイが最も輝くべきシーンでしょう。

 しかも何度も倒してたみたいですけど、ダイジェストで済ませやがるし。あれか? 作画班は序盤で力尽きたのか?

 言ってしまうと途中で飛ばしました。見る意味も価値もないので。

 

 何度も言ってますけど防御力に極振りしてる奴が攻撃力持ったらダメなんですって。そら極振りした上で弱点を補おうとする動きそのものは自然ですけど、結果として新しく加わった仲間の活躍を視聴者が飽きてる方法で奪ってるの主人公として最悪ですよ。

 

 

 

サリーもサリーで問題がある

 

「AGI(敏捷性)が低くても攻撃を回避する方法を教えてあげたい」と言ってモンスター狩りに双子を連れていったサリーですが、

 

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 避けようとする前にこうやって自分でモンスターを倒してしまうわけです。これかなり問題がある行動だと思います。

 

 というのも彼女の場合、メイプルと違ってゲームに慣れているはずのキャラクターなんですよ。だから「素早く動けなくてもこういう避け方があるよ」と教える立場に立てるキャラクターなわけですし、事実言葉では説明もしています。

 

 ただね、そこは一度攻撃を受けさせてでも体に感覚を馴染ませるべきだと思うんですよ。せっかくのVRMMOなんですから。

 

 教育方針とかそういう話以前の問題で、これって初心者が上級者の動きを見てるだけになるじゃないですか。身につくかっていうと身につかないでしょ。プレイ動画見てれば自分も上手くなるかっていうとまた話が違うでしょ。ゲームやってる人には伝わると思いますが。

 確かに攻撃力極振りなら防御力は紙も同然なんでしょうけど、死んで覚えるくらいしても問題ないんですよ。SAOみたいな環境じゃねえんだから。

 

 サリーがゲームに慣れているという設定もここがゲームの世界に過ぎないという前提も、そして何よりこれが双子の成長に繋ぐべき描写であるという構成も活かせていない。

 細かいようですが何なら毒竜以上に気になる部分でした。

 

 

 

◆総評

 

 良い部分も悪い部分も双子とクロムの扱いに終止したように思います。

 

 まあメイプルが新しく強いスキル覚えたりもしてましたけど、あのゲームの中でなら私でも攻略できそうな穴だらけの強化だったのでアレは別に言うほどつまらなくなりそうな設定ではないかなと。でもあの世界のプレイヤーってバカ揃いなんだよな……。

 なんで一番強そうな連中の会議シーンでようやく「自分達が毒耐性を持つ」って発想に至るのかが理解できませんでしたが、まあ運営からして無能の集いなのであの世界観に真っ当な知能の持ち主が少ないってだけなんでしょう。

 

 それとダメだった、とまで断言するのが難しいのでカットしましたけど前々回くらいから連続でダイジェスト入ってるのなんなんでしょう。あれ見てて物凄く不自然なんですよね。C級映画によくある尺稼ぎに似ているというか、まあ多分マジで尺稼ぎでしかないんでしょうが。

 デスマの時にもやってましたね大沼監督。映画の技法をアニメに用いるというのはやり方として素晴らしいと思うのですが、それは真似したら鼻で笑われる手法なので控えた方が良いと思いますよ。せめて1クールに2回までにしときましょうや。

 

 では今回はこのくらいで。

 現場からは以上です。