不在の巣

なろうで小説を書かせてもらっている馬込巣立のブログです

アニメ感想文『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います 総括』

 皆さんこんにちは。馬込巣立です。

 

 防振り最終回も終わり、その感想記事も書きました。なので最後に1話1話ではなく全体を通しての感想記事としてここで色々語っていく形で〆たいと思います。

 これまでとは異なる形式で書いていく事となりますが根っこは同じなのでそこまで力まずやっていきましょう。

 

 先に書いておきますが当ブログでこれまで書いてきたあらゆる記事の中でも最長の内容となっていますので、そこはご承知おきください。

 

 

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◆大体の総評

 

 12話通して見た結果、あくまでも私の価値基準においてとなりますが「防振りは駄作に分類される」という結論に達しました。好きで見てた人すみません。

 割と批判点が多かったのでこの結論を予測していた人とかもいるのではないでしょうか。

 

 ただ全く擁護の余地がないわけでもなく、素晴らしいと言える点も見受けられました。ですので一応その辺りも含めての総括とさせていただきます。

 

 

 

◆良かった部分

 

人間関係の細かな描写

 

 これまでの記事でもちょいちょい言及してきましたが、キャラクター同士の絡みには光るものが垣間見えました。2話の後半で触れたメイプルとサリーの交流などが代表的ですね。

 割とこの長所は終盤まで維持されているのが素晴らしい。ミィが仲間に庇われる形で生存して、どうせ負けるならせっかく生き残ったんだしと相打ち狙いで自爆する描写などは素直に好感が持てました。

 

 

 

各種ギミックの演出

 

 完全に私の好みではあるんですが、木のテーブルや黒板に画面が表示されたり蒸気機械がガチャガチャしてたりする描写はかなりツボに入りました。

 ぶっちゃけここはそんなに細かく言うこと無いので次行きます。

 

 

 

作画コストのコントロールが上手い

 

 記事の中では「ダイジェスト多くね?」と言っていましたが、それで作画のコストを調整していたのだとしたらアニメとしてはある意味正しい選択をしていたのだと思います。限度はありますけどね。

 実際それでぬるぬる動く戦闘シーンに繋がってたりしたのなら私も楽しめていた以上文句のつけようもないですし、何より毒竜も機械神もコスト高い割に頻繁に使われるのである意味仕方ない一面もあるんでしょう。

 

 あと2話の水中戦ではCGも使っていましたね。これも賛否あるでしょうけど魅せるための技法として悪くないやり方だと思います。

 

 

 

◆悪かった部分

 

 先に言っておくと「ご都合主義が過ぎる」「運営頭悪すぎ」といった問題点は挙げていくとキリがないので、私が見た限り最も根本的な問題にのみ触れていきたいと思っています。

 というのもこの作品、三つの致命傷を抱えているのでそこをどうにかしない限りどうしても駄作の域を出られないんですね。ではその三つについて言及していきましょう。

 

リアル描写の少なさ

 

 本来このアニメの致命傷は本項目より下にある二つだけだったのですが、最終回を迎えて一つ増えました。それがこのリアル描写の少なさです。

 

 これは「作中の表現にリアリティが足りない」という話ではありません。キャラクターにとってのリアル、即ちVRゲームではない現実の描写について言及するものとします。

 作中で描写されたリアル描写は1話の前後にあった楓の自宅での通信会話、理沙との登校シーン、学校でのちょっとした日常描写、そして最終話の最後の都合5シーンのみです。

 

 これの何が問題かというとVR空間を舞台とする上での旨味がほぼ死んでるって事なんです。

 例えば最終回のエンディングでそれこそダイジェストでも構わないから少しでも他のキャラが現実で何をしているのかを描写していればまだ違ったでしょう。

 

 それはマイとユイっぽい双子の姉妹がクロムっぽい担任教師から勉強を教わっているシーンであったり、カナデっぽい保健室登校の少年が窓越しにカスミっぽい風紀委員とフレデリカっぽいギャルのやり取りを眺めているシーンであったり、イズっぽい女性がペインっぽい警察官に落とし物を届けているシーンであったり、色々できる余地はあったんですよ。あくまで私の想像ですけどね。

 それが無いと結局のところ「それハイファンタジーじゃダメだった理由ある?」ってなってしまうんです。

 

 VRは現実ありき。これは基本的な部分であり、忘れてはならない要素だと思います。

 

 

 

方針が見えない

 

 サブカルチャーとしてかなり深刻な問題です。 

 私は以前、感想記事の中で「この作品のジャンルがわからない」といった旨の発言をしています。確か5話の感想記事でしたか。

 

 

magomesudachi.hatenadiary.jp

 

 繰り返すようになりますが、最終回まで見終えた上でもう一度言います。この作品ってジャンル何なんですか?

 

 例えばこれがVRMMOを舞台としたバトルものだとしましょう。メイプル一人だけが突出して強いせいで戦闘が盛り上がりません。

 次に女の子達がほのぼのとゲームをする日常を描いた作品だとしましょう。モンスター退治と対人戦が中心なせいで殺伐とした場面が多い。

 では人間関係の発展などを主題としたヒューマンドラマとして見ればどうか。双子の様子を見てみましょう。あ〜残念。

 

 こんな具合にですね、どのジャンルとして見ても中途半端なんですよ。

 

 要するに何をしたいのか、どこを目指しているのかがわからないって状態なんです。

 じゃあ逆にジャンルがわかりやすい状態ってどんなのかというと、例えば防振りなら以下のような具合になります。

 

 

①VRMMOを舞台としたバトルものとして描く場合

ステータスやレベルの概念をしっかりと設定した上で武器やスキルによって生じる強弱の差を極力埋めつつキャラクター同士で拮抗した戦いを展開させる

 

②ゲームを主軸としたほのぼの日常路線で描く場合

戦闘だけではなくペットの育成、食材の栽培、素材調達、アイテムの製造といった多様な場面で各々のパーソナリティを掘り下げながら友情を育ませる

 

③人間関係の変化から生まれるヒューマンドラマを描く場合

各キャラの現実での生活やそれぞれの人間関係を描写し、同時にVRMMOの中で得たものも一つの人生経験として相互に影響・成長がある様子を見せる

 

 

 とまあ、こんな風に一つのジャンルに集中してくれていれば恐らく普通に良い作品になったかもしれないのですが残念ながら全体的にごちゃっとしてしまっているのがこの防振りです。

 何ていうかタイトルに「極振り」って含んでる割に万遍なく色々と手を伸ばした結果、どれもこれも大したものになってない感がすごいですね。

 

 

 

 

人物に対して物語が強すぎる

 

 少しわかりづらい表現になってしまったかもしれません。

 これは「シナリオ構成が巧妙な割にキャラクターに魅力が足りない」という意味ではないんです。「シナリオに合わせてキャラクターの行動が歪められている」という意味で言っているんです。

 ぶっちゃけ1話の時点でやらかしてました。私が言及した、森で寝たシーンなどがそれです。毒竜に噛みついたところなどもそれに該当すると言えるかもしれませんね。

 

 あと原作者の方もWEB版冒頭にて言及されているご都合主義、矛盾、違和感といった要素もこれによるものと断言して問題ないでしょう。

 PvPに積極的なのか消極的なのかはっきりしないメイプル、彼女を褒め称えるフィールドエンチャントと化した味方達、集団で初心者に襲いかかっておいて負けるクソ雑魚モブキャラーズ、通常では考えられないような無能運営。これらは全て物語の都合によって歪められた人々です。

 

 そしてこの欠点ですが、言い方悪いの承知で言うと実は物語の質が良ければ誤魔化しが効くんですよ。

 代表例として挙げられる作品の一つが新海誠監督の名作映画「天気の子」です。

 

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 この作品は個人的に素晴らしい作品だと思うのですが、一方で「普通そんな行動するか?」「それ先に描写されたあそこのシーンと矛盾しないか?」といった場面がたまに出てきます。何なら防振りと同じでダイジェストシーンもちょいちょい挟まる。

 その上で私が「短所は短所として素晴らしい映画だった」と言えるのは物語として趣旨を一貫させつつ誤魔化せるだけのクオリティを保っていたからです。

 これは「天気の子」の感想記事ではないので具体的な話はしませんが、さらっと説明するなら言葉のチョイスと絵面による雰囲気作りが秀でた映画でした。

 

 さてそれを踏まえた上で防振りは誤魔化しが効くかというとまあ無理なんですよ。一つ上の項目で述べたように趣旨も何もないから。

 

 少し話がずれますけど、創作において物語と登場人物は分けて考えるべきという考え方があります。

 これは私も小説書くための赤本か何かで見かけた話でして、ライトノベルのようなサブカルチャー作品においては物語よりも人物に力を注ぐのがベターであるという話だったんですね。

 正直これに関しては難しいところで私なんぞはその二つを分割して考えられないのですが、まあ要するに「作者がどう話を進めたいかより人物の魅力の描写を優先しろ」って話だと自分なりに解釈しています。

 

 それでまた防振りに話を戻しますと、やはり物語の方がキャラクターよりも強すぎるように思うんですよ。

 よくこの作品の感想をネットで漁ってみると「女の子がかわいい!」という肯定的意見を見かけます。でも美少女を登場させてるんだからそりゃかわいくて当然じゃないですか。そのかわいいキャラクターにどんな魅力を付与するか、そうしてどのような物語を紡ぐかが本来の“作品の魅力”でしょ。

 

 結果として「キャラクターをかわいく見せかけるための物語」が優先されていて、「物語を通じて伝わるキャラクターの魅力」が蔑ろにされているような印象が強く残りました。

 

 

 

◆キャラクター別の感想

 

 ここからは登場人物別の感想、及び評価です。キャラクターの順番はWikipediaの紹介順に沿っています。

 

メイプル/本条楓

 

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▲シナリオの傀儡

 

 この物語の主人公としてひたすら世界の寵愛を受け続け、結果として認識と価値観が狂ってしまったある意味作中最大の被害者。

 

「防御力に極振りした主人公」という趣旨も毒竜と機械神と暴虐によって否定され、外見の可愛らしさ以外に魅力を見せないまま終わってしまいました。

 例えば「このシーンめちゃくちゃ可愛かったよな」とか「あそこでああいうセリフを言えるのはやっぱメイプルだわ」みたいなシーンが特に思いつかないので、仮に私が高校生で自分と同じクラスに彼女がいたとしても認識できないまま卒業すると思います。そのくらいリアルにいても目立たないタイプ。

 

 あと「マシュのコスプレした小日向美穂という意見をネット上で見かけてそこだけちょっと笑いました。

 

 

 

サリー/白峯理沙

 

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▲相容れない親友

 

 アクションシーンなどでメイプルでは作りづらい絵的な見どころを作ってくれた存在です。というか戦闘に限らずメイプルにできない役割を担う人物でしたね。ゲーム上級者として双子にアドバイスしたりしてましたし。

 特に2話でメイプルをおぶって移動するシーンとか結構好きだったりします。

 

 ただその一方で彼女の存在がメイプルと同居していることにより、ゲーム内におけるステータスの存在が許容し難いレベルで矛盾を引き起こしていたりもするんですよ。

「サリーは攻撃力低いのになんでレベルが上の相手に攻撃通るんだ」問題と「攻撃力低いサリーの攻撃が他プレイヤーに通用するのになんでメイプルには通じないんだ」問題は同時に解決できないわけでして、そういう意味では親友なのに並んで歩くと破綻するという悲しい存在でもあります。

 

 個人的にですが彼女を主人公としたアクション要素多めのスピンオフアニメとか作られたらそっちは大喜びで見に行くかもしれません。マジで2話の水中戦がカッコよくてめっちゃ好きだったので。

 

 

 

クロム

 

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▲頼れる大人の象徴

 

 メイプル率いるギルド[楓の木]において頼りがいという点では随一の存在であろう一般男性プレイヤー。作中では普通の大盾使いがどのように動くかを示したり大人として他のメンバーに悪意が向かないよう気をつけようとしていたり、結構ちゃんとキャラクター性を描かれていた貴重な味方キャラでした。

 ちゃんと専用の武装も手に入れてましたし、こいつとサリーを主軸として話を進めた方が良かったんじゃねえかな……。

 

 メイプルと生産職であるイズを出会わせるための仲介役もこなしていて、縁の下の力持ちといった風情の存在じゃないでしょうか。

 

 

 

イズ

 

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▲衣替え担当

 

「あ、いたんだ……」くらいの印象に終始するような存在でした。新衣装や水着を作るだけの存在として裏で働いているものの目に見えやすい結果を出せず、後半では爆弾を投げるだけの人になってしまっていたのが何とも悲しいところです。

 

 せっかくスチームパンクな場所とかも出てきたんですから「とんでもない性能の爆弾を作る」とか「機械神みたいな装備を作ってメンバーに配る」など活躍の機会を設ける事もできそうなものですが、直接的な戦闘能力が不足していると活躍の場を得られないのがなろうあるあるなのでこれもまた一つの宿命だったんでしょう。残念。

 

 

 

カナデ

 

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▲分岐路を束ねて握る小さな手

 

・初心者のメイプルやサリーと比べても格段にレベルが低い

・特異なアイテムを保有している

・ゲームのルールに束縛されないスタイルを持つ

 

 以上の点からトリックスター的なポジションのキャラかと思いきや普通に仲間になってしまったこれまた残念なキャラクター。何なら安易に仲間に加わってしまったせいで魅力が死んでしまっていました。

「ランダムでスキルを使える上にそれを保存できる」というわけわからん性能の武器(しかもキューブの形をしているのに分類は杖)を持っているのにこの扱いはあまりにももったいない。ポテンシャルだけならラスボスすら務まるであろう可能性の塊なので、今後は是非ともこいつにこそ敵としてメイプル達相手に無双してもらいたいところです。

 

 

 

カスミ

 

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▲実はこいつが一番よくわからない

 

 喧嘩売ったかと思ったら逃げたり一段落ついたら戦わず味方になったりと何がしたいのかようわからんキャラでした。イベント6位だったらしいんですけどそれを裏付ける強さは特に描かれず、ただ刀を振り回すだけ。

 cv.山口勝平の男と少し衝突する場面もあったものの「最初からそれ使うんじゃダメだったの?」みたいな技で勝利してそこからも大して見せ場がないまま終わってしまいました。

 

 これで他のギルドに所属しているスパイとかならまだ理解できたのですが特にそういうわけでもなく、ステータスは極振りしていないしカナデのように特殊なアイテムも持たないしイズにとっての生産職のような領分も持たないマジで絶妙なまでにいてもいなくてもなポジション。

 

 あとこれは後でWEB版読んで知ったのですが5話のやり取り、原作だとサリーから彼女に喧嘩ふっかけてたんですね。カスミ本人は寧ろ温和な態度でやり過ごそうとしてて「おいアニメスタッフ」ってなりました。本当にびっくりした。

 

 

 

マイユイ姉妹

 

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▲ルンバ1号&2号

 

 こうやって二人まとめて紹介するのもキャラクターの個性を否定しているみたいで正直すっげー嫌なんですけど、

 

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 Wikipediaでもなろうの登場人物紹介でもまとめて紹介されてるんだからしょうがないんです。もはや誰も彼女らに“個人”を求めていない。スマブラアイスクライマーかよ。

 途中から同じセリフを同時に言うシーンが異様に多くなっていて「脚本家はさぞかし楽だろうなあ!」とキレ気味になってしまいました。

 

 双子っつったら片方の性格をもう片方とは逆にするとかして差別化するもんだと思うんですけどそういうの一切ないんですね。異世界スマホですらそこはしっかりやってたのに。

 仮に差別化しないとしたらそれは不気味さや奇抜さ、あるいは二人で一人という演出をするために「敢えて」そうしてるんですよ。デッドライジング2の双子の姉妹とかがそうだったように。

 

 そしてやることはメイプルが行く先にあるゴミのお片付けと「信じてました!」「さすがメイプルさん!」という全力よいしょ。最初の方でメイプルに声をかけられてちょっと妹が姉を庇う素振りとか見せてただけに素材が殺されてる感半端ねえ。

 

 

 

ペイン

 

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▲誰よりも強くあってほしかった

 

 作中でも最強の存在と呼ばれているトッププレイヤー……なのですがメイプルにスキル一つで逆転され負けてしまうという体たらくを見せてしまい、挙げ句それを他ならぬ自分が愛して止まないゲームの運営サイドに晒されるというヤバいレベルの被害を受けた人でもあります。本人気にしてないみたいですが。

 

 戦い方は基本的に剣で斬る以上の動きを見せない純粋な白兵戦特化型。これに最強設定が加わるだけで全国の男の子の心を鷲掴みにできそうなもんだ。

 

 あとアニメの演出の問題になりますけど顔出しのタイミングを盛大にミスってますよね。10話で出すべきではなかったと思います。

 

 

 

ドレッド

 

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▲理想的な敵キャラ

 

 彼は2話でちらっと姿を見せてから3話でメイプルとサリーにアドバイスを送るという立場で主人公サイドと接触し、そこからギルド対抗戦で敵として再会した人物です。

 

 流れ完璧じゃないですか?

 

 まず視聴者に存在だけ示してどこからアプローチをかけるのか期待させた上で敢えて情報提供者として最初のコミュニケーションを果たし、その後再会した時には強キャラ感漂わせながらこれまで高い戦闘スキルを見せてきたサリーに圧倒的実力差を見せて去るっていうこのムーブ。

 それだけになんであっさりメイプルにやられてんだよと嘆く気持ちも湧いてくるのですがもうそこは諦めました。世界を味方につけてる相手にゃ勝てねえさ……。

 

 

 

ドラグ

 

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▲後方に引っ込んでた前衛

 

 正直言ってドレッドの出番を少し減らしてでもこいつを活躍させてあげるべきだったんじゃないかと思わざるを得ません。

 

 というかあの戦闘能力と性格を見る限り遊撃部隊に向いてる存在だと思うんですが、拠点を襲いにくるの彼じゃダメだった理由何かあるんですかね。そもそもなんで防衛側にいるのかもようわからんし。

 かと思えば雑魚狩りしてるペインと絡むシーンもあったりしていよいよポジションが見えない。せっかく強そうなんだからそこはちょっと目立たせてあげてくれと思ってしまうのは私のわがままなのかもしれませんが。

 

 

 

フレデリカ

 

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▲良くも悪くも普通の人

 

 魔法で色々な種類の弾丸を飛ばしたりバリア出したり味方を支援したりできる存在で、作中での活躍を見るに作戦参謀的なポジションにいるようです。バリアを使って素早く動くサリーを拘束するなどの変則的な動きも見せてくれたのは良いところですね。

 

 問題はそれ以上特に言う事がないってところでしょうか。

 

 強いて言及するならメイプルがゲーム内で最初に会話した相手という部分もあるにはあるのですが特にそれが活かされる描写もない。

 最初に真正面から声をかけられて一度無視する描写なんかもあって

 

「性格が悪いってわけじゃないならVR空間だと視覚か聴覚に異常をきたす体質なのかな? もしくは家が貧乏で機材がヘボいせいでラグが発生しててなかなか他人に声をかけられても気づけないとかかな。あるいは何らかのスキルの代償かもしれない。じゃあめちゃくちゃ強いのにそこが唯一の弱点になってたりしたら熱いなぁ」

 

 とか考察したりもしたんですがまあ特に何もありませんでした。ただ自分に声をかけてると思ってなかっただけなんでしょうね。

 

 

 

ミィ

 

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▲作中最も好ましく思った人物

 

 画像のチョイスに悪意はありません。

 

 大規模なギルドを率いてカリスマ性を発揮してはいるものの、本質は気弱な少女というギャップ萌えの塊。ただその気弱な面よりも「負けるくらいなら自爆して同士討ちを狙う」「逃げる相手を見失ったら深追いはしないけどとりま周囲一帯を焼き払う」という姿勢が個人的に好ましく思えました。

 

 因みにこの作品の中で私が一番好きなキャラクターでもあります。

 死んだうちの父親が言ってたんですが「負けて悔し涙を流せるのは性根が強い証拠」なわけでね。彼女が出るってだけで2期見るかもしれないレベルなので、今後の活躍に期待したいところです。

 

 

 

シン

 

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▲急に出てきてそれだけだったやつ

 

 10話で急に登場してカスミと因縁あるような話だけが進められてなんか流れで負けて以降そんなに目立たないまま気付けばアニメそのものが終わった。

 いや特に何も言えねえわ。絡む相手が作中屈指の存在意義がわからないキャラであるカスミだったのもあって、ホントどう評価すべきかわからない。

 

 とりあえずミィの部下みたいなのでアレですね、続編では頑張ってもらいたいところです。

 

 

 

マルクス

 

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▲もっと目立っても許される少年

 

 彼を主人公、ミィをヒロインとして別作品出してもらいたい。そのくらい主人公適性あると思うんですよこのキャラ。

 ミィが前衛向きであるのに対してマルクスは後方支援に最適な罠使いです。それならゲーム的に相性も抜群でしょうし何ならあらゆる層に需要ありますよこいつ。心配性な陰キャで服装がモノクロカラーでcv.石田彰のショタだぜ。誰にも負けねえわ。

 

 ただそれだけに「主人公側の人物ではない」という事実が重い。この記事書き終わったら彼を推してくれる人の二次創作でも探してみようかな……。

 

 

 

ミザリー

 

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▲猥褻力極振りの聖女

 

 服装がエロい。それが第一印象でした。

 ただ話が進むと不安そうにしているマルクスにお姉さんムーブかましたり、メイプルの爆撃を受ける中でミィだけ優先して守るなどの場面もあって「これはこれでキャラ強いな?」と認識を改めました。いやもう[炎帝ノ国]で一作書けるでしょこんなん。

 

 あと最終話で明らかになった事実として、帽子で隠れていてわかりづらかったんですがたくあんみたいな眉毛してます。軽音部のキーボード担当みてぇだ。

 

 

 

NWO運営陣

 

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▲無能という概念の擬人化

 

 この作品のあらゆる批判点、矛盾点の元凶。言ってしまえば作品の悪いところの半分を担う存在でもあります(もう半分は作者の実力不足です)。

 MMO未経験の私ですら「それはない」と断言できるレベルのやらかしをしており、はっきり言ってこの作品を嫌いになるには充分な要因と言えるでしょう。私はまだ[炎帝ノ国]の存在があるおかげで大丈夫な方ですけど。

 

 

 

◆まとめ

 

 知ってる人がいるかどうかわかりませんが、実は私この作品のWEB版を一時期ブックマーク登録してました。というのも「防御力に極振りした主人公がどんな風に物語を紡ぐのだろうか」と強い興味を抱いたからだったんですね。

 まあ最初の話でのっけから作者の言い訳タイムが始まって「あ、じゃあいいです」となって外したんですけど。

 

 ただその上でこの作品を意欲作としてある程度は評価してあげたい気持ちもあるんですよ。

 

 そもそもVRMMOというジャンルが極めて難しいんです。

 

 有名作品を並べてみるとわかりますがソードアート・オンラインにせよアクセル・ワールドにせよオーバーロードにせよログ・ホライズンにせよ、何らかのシリアス要素は入れてるわけですよね。逆を言うとただ主人公がVRMMOを遊んで楽しんでるだけの作品は退屈さが際立ってしまうからかあまり高く評価されません。

 そして変化球を入れて有名になったとしても見えてくる作品の粗はあるわけです。例えばソードアート・オンラインなら死銃の殺人トリックとか「何それ?」と私でも思いますし。

 

 つまりある程度以上の実力を持った作家が変化球を入れてそれでもどこかしら綻びが生じてしまうジャンルなわけで、それをただ遊ぶだけの内容で連載し続けてアニメ化まで漕ぎ着けたのは素直に評価して良い部分だと私は思うんです。

 つっても企業の都合とか絡んでる可能性もありますが、そこは見えない部分の話になってしまうので考えないようにしましょう。記事の趣旨から大きく外れますしね。

 

 そう考えると駄作ではあるもののこれはこれで素晴らしい創作活動なのではないかと思えてきて、なんだかただ批判だけするっていうのもこっちの気分がよろしくない。

 聞けば異世界スマホの作者さんが書いてたVRMMOの小説が書籍化したそうですし、もしかするとこのとてつもなく難しいジャンルが新たな流行となる可能性はありますね。流行の循環は望ましい話なのでどんどんそういう方向に進んでもらってほしい。

 

 私から言えるアニメ「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」の感想はここまでで全てとなります。覚悟していたもののやはりとんでもない文字数になってしまいました。

 恐らく回復術士のアニメが無料配信されたらまたこんな感じで記事を書くと思いますので、その時はよろしくお願いします。

 

 現場からは以上です。疲れで指が震えて正確にタイピングできなくなってきた……。