不在の巣

なろうで小説を書かせてもらっている馬込巣立のブログです

アニメ感想文『回復術士のやり直し 第9話』

 皆さんこんにちは。馬込巣立です。

 

 やや遅くなってしまいましたが、回復術士のやり直し第9話の感想を書いていきたいと思います。

 ちょっとデュエプレコラボイベントとかTRPGのシナリオ制作とかなろうでの執筆活動で純粋に記事の投稿が後回しになってしまっていました。

 

 9話ともなれば全体のおよそ3/4に該当する部分ですね。作品によっては全10話だったり全13話だったりするので確かな事は言えませんけど、まあ大体話を畳むための準備に入る頃合いでしょう。

 では今回の回復術士はどんなもんなのか、というところを書いていきたいと思います。

 

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動画はこちら

https://www.nicovideo.jp/watch/1615779486

 

 なんかブログで動画のURLを埋め込めなくなってしまっているため、文字列だけの無機質な表示になってしまいました。別にこの感想記事シリーズが終われば滅多に使わなくなる機能なのでどうでもいいんですけど何でしょうねコレ。

 とりあえず概要から触れていきましょう。

 

 

 

◆概要

 

 同行する事が決まったイヴから色々と話を聞いたケヤルガは、彼女が使役できるという伝説の鳥・カラドリウスを手中に収めんと思考を巡らせていました。

 しかしそれ以前に彼女の追手がまだ残っており、こちらを始末しなければロクに動けないと判断して彼らに夜襲をしかけることに。

 

 結果として追手である魔族の集団を殲滅したケヤルガは翌日、事前に聞いていた通りノルン姫がブラニッカに訪れたのを確認。

 それだけならまだしも、彼女が率いた精鋭部隊の中には復讐対象である剣の勇者・ブレイドの姿があったのでした。

 

 というのが9話の概要となります。

 

 8話に関してはべた褒めしたものの、今回ははてさてどうなることやら。

 

 まあ褒めるつもりなら「段々良くなってきてるじゃん!」「今回も褒めますのでよろしく」とかこの概要の時点で言うんでそれが無い時点でお察しください。

 

 

 

◆良かった部分

 

カラドリウスの扱い

 

 恐らくアニメ放送圏内では出てこないであろう伝説の鳥・カラドリウスの説明ですが、原作販促という意味では期待させる内容に仕上がっていたと思います。

 

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 説明の内容曰く「病を取り除く事も与える事もできる」という存在らしいです。それならなるほど確かに強力だと理解できますし、味方につけた際の心強さも相当なものでしょう。

 どんだけいるか知りませんがこの作品って復讐が最大の目的となっている(はずの)物語ですので、伝説に登場するレベルのモンスターが味方につくと考えれば先の展開を楽しみにする視聴者だっているかもしれません。そういう意味ではアニメ放送圏内で出せないまでも存在を上手く仄めかせる事ができているなと感心しました。

 

 

 

魔族の扱いがしっかりしている

 

 今回ついにケヤルガの変装が臭いで見抜かれました。

 これは人間の敵ではできない識別方法なので「魔族が多く存在している」という土地の性質がきっちり活かされている場面だったと言えるでしょう。ラナリッタとか全然犯罪都市って感じしなかったのにな!

 

 まあここはそんなに多く語る部分でもないので次行きましょうか。

 

 

 

武器屋の兄ちゃんとの会話

 

 フレイアの魔法に耐えられず壊れかけていた杖の代わりに上等な品を調達すべく立ち寄った武器屋にて、ケヤルガと店員がちょっとした商談をするんですよ。

 

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 で、この商談のシーンが普通に面白い。マジで別作品かと思うくらいでした。

 

 具体的にはケヤルガが購入した杖を(錬金かヒールか知らんけど)改良して、それを見た店員が「今売ったのと同じ杖がまだあるからそれも全部改良してくれたら払った金の1/3を返す」と言い出すんですね。

 で、ケヤルガは「全額返しても元取れるんだから1/3しか返さないのは認められない。半分返せばやってやる」と応じるわけです。

 

 これを受けて店員、半額返却すると同時にミスリルの剣をケヤルガに提供。

 

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 さしものケヤルガも思わず「いいのか?」と訊いたところ、店員がめっちゃかっこいい返しをするんですよ。

 

 

「ちょっとだけ俺が儲け過ぎた」

「このまま帰すと俺の商人としての名が泣く」

「バカな素人からぼったくるのは良いが、わかってる奴相手に損をさせる事はできない。黙って受け取れ」

 

 

 この作品においてアンナさんばりにまともな登場人物が出てきました。実質モブだけど。

 

「兄さんとは良い商売ができそうだな」って言いながら店員の顔がドアップになるところとかめっちゃ作画に気合い入ってましたし、多分アニメスタッフもここはアンナさんの最期と同じくらい力入れたところだったんじゃないでしょうか。声優さんの飄々とした演技もナイスです。

 コミカライズ版ではなかったはずのシーンなので多分アニメオリジナル展開なのでしょうが、いやあこれに関しては初めてまとも且つ対等な商談をしていましたね。ラナリッタでは粗末でケチな詐欺師紛いの交渉ごっこしかしてなかったのにな!

 

 

 

◆悪かった部分

 

冒頭シーンの気持ち悪さ

 

 ケヤルガがイヴを抱こうとして泣きながら拒絶されるところから始まるんですが、そこからOP入ってOP明けに朝飯食いながら他3名によるイヴへのダメ出しが始まるんですよ。

 

 クソ客と先輩ソープ嬢みてぇなノリやめろ。

 

 何なんですかねこの気持ち悪い冒頭シーン。恋人でもないただ利害関係が一致しただけの素人相手に体の関係求めて、嫌がられたら「お母さんとか叫ばれると萎える」つってぶーたれるムーブやって誰がこの主人公に魅力を感じるんですか。

 起きてる事象単体で見たらどっちかっていうと主人公に惨殺される5分前の悪徳政治家の挙動でしょ。

 

「途中で拒絶してケヤルガ様に気を遣わせるなんて失礼ですよ」っていうフレイアのセリフがまんま政治家の相手してる高級風俗嬢のそれっぽくて嫌になりました。

 そういうセリフは適したシーンで適した立ち位置のキャラに言わせてほしいものです。一応とはいえ全年齢向けレーベルで出版されてるライトノベル作品のメインヒロイン枠ですよ彼女。いやヒロインつっても復讐対象なんですけど少なくとも書籍やコミカライズ版において1巻の表紙は彼女が飾ってるんで。

 

 原作者か脚本家か知りませんがセリフ考えた人おかしいと思わなかったんでしょうかね。これがメインヒロインの口から出てくる作品があったとしてそれは回復術士のやり直しであるべきではないでしょう。例えば異種族レビュアーズで出てきたセリフなら違和感も何もないんですが。

 

 このシーンのせいで「あ、前回みたいに褒めちぎるのは無理だな」と確信しましたし案の定ここから先も問題がいくつか出てきます。

 

 

 

またもケヤルガがIQ下げてる

 

 これも冒頭というか前半での会話シーンでの問題点なのですが、ケヤルガが自分で自分の事を「俺ほど良い人はそういないぞ」的な発言するんですよ。

 まあこれ自体は「いや良い人は自分でそう言わないだろ」っていうギャグシーンであって実際イヴもそこにツッコミ入れてるんですけど、問題はその後です。

 

「言葉には力がある」

「自分の事を良い人と言い続ければ良い人になるんだ」

「言葉は思考になり、思考は行動に繋がるからな」

 

 何だよこのちょっとアニメや漫画で語彙力高めただけの小学生みたいなセリフ。せめて「自分は善良であると口に出し続ければ元がどうあれ善性を得られる」くらいの言い方できねーのか。

 今回のサブタイトルとかもそうですけど性的描写が多い割にガキみたいなセンスが見え隠れして気分悪くなるんですよねこの作品。だからかケヤルガの精神年齢も恐ろしく低く見えてきてしまう。

 

 あと「思考が行動に繋がった」結果オメーなんの罪もない姫の護衛殺したり自分に何もしてないイヴをなし崩し的に犯そうとしたりしてるだろ。少なくともそんな奴の言葉に力なんぞねぇよ。

 

 それを受けてイヴがケヤルガを理屈屋扱いするんですけどコイツのどこに理屈があるんですか。

 これまで私このブログでめっちゃ理論的にこいつの主張が破綻してるって言い続けてますけど、じゃあイヴの基準において私は稀代の天才詐欺師か神話を語るレベルの吟遊詩人だったりするんですかね。

 

 

 

イヴもちょっと頭悪くなってきている

 

 ケヤルガ如きを理屈屋扱いしてる時点でもう大体お察しのところですが、イヴも段々頭が悪くなってきています。

 

 具体的な話をすると前回彼女って襲撃者に脚を矢で撃たれてるんですよ。で、これに関して私は「翼があるから脚部の防御意識が薄かったりするのかな」程度に捉えてスルーしたんですね。

 

 しかし今回不意打ち前提の暗殺者相手に「真正面からなら負けない」とか言い出してあのケヤルガに呆れられるという無様を晒す始末。もう普通にバカ。

 多分脚を撃たれた時のもただ頭がそこまで回ってなかったからなんでしょう。

 

 で、イヴが暗殺者相手にも勝てないようなバカだと「前回の世界でどうやって魔王になったのか」という早急に解決しなければならない疑問が浮上してしまうんですよ。

 

 だって前の世界線においてケヤルガはいないでしょ。いるのヤク漬けにされてるホモ一匹だけでしょ。ここで彼女が“ケヤルガが助けないと魔王になれない程度の存在”だとするともう前の世界線で彼女が魔王やってたの単なる矛盾じゃないですか。

 そして今回の話の中でそこの疑問が解消されたわけではないのでもうダメですね。致命的な破綻を致命的な状態のまま引きずって次回に続く形となりました。

 

 

 

無駄なサービスシーンに尺を使い過ぎ

 

 今回からイヴが仲間に入ったわけですが、逐一イヴが過剰反応を見せて地上波とニコニコ配信においては一切の需要がないであろうエロシーンをやたら冗長化するという最悪のギミック爆誕してしまいました。

 いやあ、やられましたよ。まさかこんな形でイヴが機能してしまうとは。

 

 しかもその都度ガンギマリホモ太郎がイヴを混ぜようとしやがるしそれをイヴも拒絶するもんだから無駄に無駄が重なってどんどん時間が浪費される。今回頑張ってシークバー使ってクソみたいなシーン飛ばしましたけど未だにイライラしています。

 

 そしてこれの何が酷いかってイヴを巻き込む理由が無いんですよ。コイツ普通に強いからケヤルガとヤッて最大レベル上げる意味合いも薄いですし、向こうもそんな関係を求めていない。巻き込まれつつある理由は純度100%主人公の性欲だけです。

 ガンギマリホモ太郎という真名があるんだからとっとと薬キメておっさんに掘られとけよ気持ち悪いなホント。

 

 あとここでケヤルガ達が盛ってる場面、一応言っておくと夜襲しかける直前くらいのタイミングなんですよ。

 敵陣に攻め込む前にヤッたら無駄に体力消耗するってわからんのかお前らは。ボクサーだかプロレスラーだか忘れましたけど「パフォーマンス落ちるから試合前はセックスしない」って話を実際に格闘家の方とご結婚された女性から聞いた事あるんで、ここの違和感は結構強く感じました。

 

 

 

本筋どうした

 

 今回起きた出来事を箇条書きしてみましょうか。

 

 

・イヴを抱こうとしてフラれた

・襲ってきた魔族連中を始末した

・杖買って剣ももらえた

・ノルンとブレイドが街に来た

 

 

 本筋進んでねえ〜。

 

 何なら牛頭どもを駆逐するところとかダイジェストでも良かったくらいですよ。1話かけてやる内容じゃないでしょあんなん。サブタイトルの時点で「これ本筋とちゃんと合流する内容になるのかな」と不安になってましたけど案の定じゃないですか。

 ぶっちゃけコミカライズ版読んでたんである程度察してましたけどこれアニメ放送圏内でブレッド倒すの不可能ですよね。何度か言ってきたと思いますけど尺を無駄使いし過ぎなんですよ。

 

 

 

◆総評

 

 前回そこそこ観ていられる内容だったのはどうやら偶然だったみたいです。

 

 騙されましたねぇ……騙されました。前々回でちょっといいとこ見せてきて前回結構頑張ってたから期待してたところにこれですよ。

 ある意味クソアニメとしての在り方を取り戻したと言えなくもないんでしょうが、捨ててほしかったなあその姿。

 

 ともあれ今回観終えたので残り3話、いよいよ大詰めも見えてきたところです。今回のようにアニメオリジナルの名場面なんかも今後出てくる可能性があるため全く見どころがないまま終わるとは言い切れないのがもどかしいですね。

 

 では、また次の記事でお会いしましょう。