不在の巣

なろうで小説を書かせてもらっている馬込巣立のブログです

アニメ感想文『回復術士のやり直し 第12話』

 こんにちは。馬込巣立です。

 

 ようやっと終わりましたねアニメ『回復術士のやり直し』。思えば毎週そこそこの時間を無駄にしてきた気もしますが、遂に今回で最後の話です。

 以前もこのアニメの前座というか練習として『痛いのは嫌なので防御力に極振りします』の感想文を書いていたことがありました。多分本番も終わった今、特に理由がなければアニメ感想文自体が今回の記事と次回の総括で最後となるでしょう。

 

 全12話を突き抜けてみれば最終的な評価も可能となります。さて、このアニメ全体に対してどのような結論が下されるのか。

 それは総括で語るとしてまずは12話単体の感想からやっていきましょう。良ければ最後まで読んでいってもらえると幸いです。

 

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動画はこちら

www.nicovideo.jp

 

 

 

◆概要

 

 ジオラル王国軍に襲撃を受けるブラニッカにて、巨大な立体映像を通してフレア王女が兵達に襲撃をやめるよう説得。その説得を受けて武器を下ろす兵士達を見ながらノルンは大いに狼狽え、そこに主人公であるケヤルガが乗り込んできます。

 乗り込んだ先でケヤルガは三英雄が一人“鷹眼”トリスト・オルガンとの決戦へ。多様な武器を使いこなしながら直接手に触れないよう立ち回る彼に苦戦を強いられるも、神装武具ゲオルギウスの「触れずに相手の肉体を改悪し即死させる」能力によって彼を爆散させるのでした。

 

 そして戦いが終わりノルンに復讐を果たしたケヤルガは彼女を生き別れの妹として洗脳し、仲間に引き入れます。どうやら優秀な頭脳を頼りにしての動きだそうです。

 

 最終的に「残るは“砲”の勇者ブレットだけだ!」となったところでこのアニメは完結し、主人公のゲス顔を画面いっぱいに映し出してエンディングに入るのでした。

 

 と、いうのが12話の概要なわけですが。

 先に言っておきます。思ったより酷かったです。

 

 私もコミカライズ版で予習を済ませてきたので「え、まさかこんなクソみてぇな内容になるなんて事ある!?」と目を丸くしてしまったのですがマジで酷かったです。これから見るという人がいたらまず覚悟しておいてください。

 とりあえず、はい。書いていきましょう。

 

 

 

◆良かった部分

 

 これには私も驚いたのですが何もない。マジで。

 

 いや、今まで書いてきた記事を読んでくれた皆様ならわかってくれると思うんですが私ってクソ回でさえ良かった点があればここで何かしら触れてるじゃないですか。でも今回はマジでそういうの一切合切どこにもない。

 せめてもの情けで「ラストバトルの動きは良かったかな」みたいなおべっか書こうかとも思ったものの今回普通に作画も微妙以下ですからね。クレハとの戦闘シーンがこのアニメの作画における最大瞬間風速だったと思い知った瞬間でした。

 

 まさか最終回になって最強最悪のクソ回が来るだなんて思ってもみませんでしたよ。一つくらいはどっかで何か褒められる点があっても良さそうなもんなのに。

 

 

 

◆悪かった部分

 

ノルン及びジオラル王国軍の知的デバフがひどい

 

 のっけからノルンがフレア王女の巨大立体映像による演説を見て「何よあれ」みたいなリアクションしてるんですけどコロシアムで既に見ただろこの手。なんで初見状態なんだよ。

 そしてフレアの話を聞いてあっさり武器を捨てる兵士達も意味わからん。そこで「フレア王女も魔族に洗脳されてる!」ってならないのどう考えてもおかしいんですよ。自分達のとこには洗脳されてないノルンがいるのに。

 

 それとその後でノルンがケヤルガを「“癒”の勇者だから」という理由で侮るシーンがあるんですけど、これもこれで頭おかしいシーンなんですよね。

 だってそいつ真正面から自分達がいる部屋まで来てるようなやつなんですから、普通どんなに甘く見積もっても「侵入する手段と姿を現しても負けないだけの自負がある」くらいは考えつくはずなんですが。そこで相手を低く見て何か得するんだろうか。

 

 この以前入手した情報を管理できてない様子、自軍への配慮が欠如している様子、相手の戦力に対する警戒心の欠如という三要素を揃えておきながら策士キャラで通すのは無理でしょ。ノルン普通に頭悪いんですもの。

 

 

 

ゲオルギウスの能力

 

 直接触れなければ発動しない即死技を持ったケヤルガに対して「手に触れられないよう警戒しながら戦う」という手段を執ったトリストでしたが、「触れずに改悪のヒールを当てられる」という神装武具ゲオルギウスの能力を前に敗北してしまいます。

 

 

 盛り上がらねえからやめろよそういうの。

 

 

「最初からそれ使えば勝ててた」ってなるでしょ。そこに至るまでのシーン全部茶番だったってなるでしょ。

 

 あの、相手が魔王でもジオラルの国王でも“砲”の勇者ブレッドでもない三英雄とかいうぽっと出エネミーなのは仕方ないにしてもこれアニメ12話のラストバトルですからね?

 ニコニコ動画でシークバー見てたからわかるんですけど12話放送開始から7分(OPムービー飛ばせば5分ちょっと)くらいでトリスト死にましたよ。なんでこんなつまらん展開にしてしまうんですか。

 

 それと物語の内容に直接関係しないからあまり強く言えないけどお前よく置鮎さんの前で異形化した左手使って戦えたな。地獄先生ぬ~べ~知らない世代か?

 

 

 

故人を強姦の口実に使うな

 

 ケヤルガがノルンに詰め寄る際にアンナさんとカルマンの名前を出すんですけど親しい人の死を悼みながらやるこたレイプじゃねーか。そういうとこだぞお前。

 

 あと「俺は優しいからゲームに勝てたら解放してやる」とか言っちゃう時点で「ゲームに勝てたらアンナさんとカルマンの死はどうでもよくなるよ」って言ってるようなもんですからね。

 マジでコイツの倫理観もうちょっとどうにかした方がいい。気の狂った復讐者、というパーソナリティ自体を否定はしませんけど魅力が一切無いんですよ。コイツを見てかっこいいと思えない。

 

 悪党ムーブするなら悪党としての自覚を持つべきですし、それが無理なら最初から「実は優しいんだよ」という描写を入れるべきなんですけどそういやいつぞやそれやろうとして失敗してたな。じゃあダメだわ。

 

magomesudachi.hatenadiary.jp

 

 流石に面倒臭いにも程があるのでケヤルガのブーメラン発言とか破綻してる論理展開についてはもう触れません。

 ただアレを素面で真面目なシーンとして演出してるつもりなら作者さん頭か心の病気なんじゃねえかな、とは思いました。

 

 

 

ノルンに対する復讐が凄まじく気持ち悪い

 

 洗脳して従順な妹にするとか普通に鳥肌が立つレベルで気持ち悪い。

 

 いやもうマジでキッツい。コミカライズ版で予習しててもこれは本気でキツい。

 絵と文字だけだと「ふーん」で済んだところも映像になって声までつくと気持ち悪さがとんでもないことになるんですね。

 

 あんまりこういう描写というか設定に対して作者の願望やら読者の願望やら言うのは作法としてよろしくないのわかってますけど、この話に対して満足感を得られる人間とは関係を持ちたくない。ごめんなさい。

 こういうジャンルが好きって人もいるでしょうしそれを否定するわけじゃないんですが、「復讐対象となる少女を洗脳する」という展開そのものってよりこの作品でこういう風に展開するからこそ生み出される気持ち悪さってものがあるんですよ。

 

 だってもう復讐がメインじゃないですからねやってる内容。口実作って美少女を自分にとって都合のいい女になるよう洗脳して侍らせたいって願望を少なくとも主人公のケヤルガは持ってるわけですから、その心根の腐り具合を見てえづく自由くらいは私にもあるんです。

 

 

 

今更ブレット出てきてもなあ

 

 なんか最後にブレット出てきましたけど来るのが遅いんだよ。もっと序盤に来い。

 そんでケヤルガも「ブレットに地獄のような苦しみを与えなければ俺の復讐は終わらない」とか言い出す始末。じゃあブレッドが何もしてこなければ永遠に復讐終わらねえだろ。お前の美学(笑)とやらがあるせいで。

 

 頭悪いから本人ちゃんと憶えてないんでしょうけどケヤルガって相手から手を出されないと動けないっていう謎ルールを自分に課してて、その上で復讐の行使を正当化するために当たり屋するわけですけどこの世界線でのブレットに関しては出会ってすらいません。

 

 なんで原作の内容を改変してでもブレットをラスボスに据えなかったのかとしみじみ思います。なんか前からこの話してる気がしますね。

 

 

 

もうケヤルガ本人も復讐ってものが何なのかわかってない

 

 このクソ主人公、今回とうとう「自分の中から復讐心が消えるのが怖い」とか言い出しやがりました。

 

 いやいやいやいやちょっと待て、と。

 復讐って言葉の意味が何なのかわかってないんですかね彼。復讐対象に報復したら終わる行為を指すんですけど。

 

 このセリフを聞いて私は「ああ、当たり屋ムーブして自己正当化の末に下卑た願望を実現する快楽が忘れられなくなったのか」といっそ憐憫の情さえ覚えてしまいました。救いようのないゴミだなコイツ。

 

 

 

作画が微妙以下だった

 

 ラストバトルの割に作画ちょっと怪しくありませんでした?

 

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 例えば上の画像はケヤルガが王国の騎士二人を一度に片付けたシーンなんですけど、このクッソダサいポーズでよりにもよって一度動きを止めたんですよ。一瞬こういう体勢になったとかじゃなしに。かなり間抜けな絵面でした。

 

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 それとこっちは爆発四散する直前のトリストの絵です。作画崩壊とまでは行かないものの1クール放送されたアニメにおけるラストバトルの決着シーンとして見ると雑な仕事してんなと思いました。

 

 まあこれは見た目の問題なので特に深く語れるもんでもありません。なのでこの項目での指摘はここまでとしましょう。

 

 

 

◆総評

 

 とりあえず12話単体での総評を述べるなら「過去最大のクソ回」というのが正直にして正確な評価になるかな、というのが私の意見です。関係あるか知りませんけど異世界スマホも最終回の評判めっちゃ悪かったなあと少し懐かしくなりました。

 ぶっちゃけ私が作画担当だったら「もうすぐ終わる」という意識から気が抜けて変な絵になったりすることもありそうなので、作画崩壊と呼べない程度に仕上げたアニメーターさんはすげぇんですよね。何なら匙投げてもおかしくない内容なのに。

 

 詳しい話はまた次の総括で語るとして、今回はここまでとさせていただきます。

 ひとまず私はこれ投稿したらすぐ寝ますので。

 

 では、これにてアニメ『回復術士のやり直し』感想記事を一段落したものと見なして、一旦の区切りとしましょう。

 おやすみなさい。